第51回大阪ミシンショー
アパレルのトレンドを反映した新製品を提案
update: 2019/02/18
大阪府ミシン商業協同組合が主催する「第51回大阪ミシンショー」(後援、近畿経済残業局ほか)が2月15日と16日の2日間、インテックス大阪を会場に開催された。今回は“温故知新”をテーマに据え、従来の技術を活用した新しい提案に力を入れる展示会を目指した。
目新しい技術や提案を求める来場者が増える
出展者数は78社。来場者は主にアパレルメーカーや縫製工場の担当者などで、関西一円からの来場がメーン。顧客ニーズの変化が早くなる中、目新しい技術や提案を求める熱心な来場者が多かったようだ。
島精機製作所は、自動裁断機=NC裁断機の最新機種「P-CAM160」を公開・提案した。小ロット・短納期のアパレル生産に向いている機種で、複数の縫製パーツの“柄”を独自のソフトで調整する機能が加わった。素材の固定力が向上したことにより、裁断時の密閉ビニールの削減が可能になった。精度と共に生産効率の向上が期待できる。オーダースーツなど1枚物の生産において、新しい価値の提案が期待できる。
ブラザー工業は、ブリッジ型のプログラム式電子ミシン「BAS-360H」を新たに提案した。設置面積が世界最初で、生産スペースの効率化につながる。元々、高速縫製と模様精度の高さに定評のある「BAS」シリーズだが、今回のモデルでは新しい頭部を搭載し、幅広いアイテムの縫製に対応できる。そのほか、穴かがりミシンの新モデル「HE-800C」を参考出品した。穴かがりの作業中にカッターを落とすことで、作業効率を向上させる機能が加わった。また、縫い終わりの“残短糸”を短くすることで、効率の改善を図っている。
ペガサスミシン製造は、フラットシーマミシンの新モデル「ラルゴ」を提案した。スポーツインナーなどで増えている“異素材”の縫製に適している。伸縮性が異なる2種類の生地を、“しわ”のないきれいなフラットシーマに仕上げることができる。オーバーロックでは、「GXT」シリーズを出品した。布送りの圧を外付けのレバーで簡単に調整することができる。また、グリースを使った潤滑方式のため、縫製品の油汚れの心配が軽減した。
JUKIは、千鳥縫いミシン「LZ-2290CF」シリーズのデジタルモデルを新たに提案した。ブラジャーなど下着関連に活用されている。タッチパネル仕様で、送り機構を簡単に切り替えることができる。また、本縫いミシンの「DDL1-9000C」の汎用機種「DDL-8000A」も参考出品した。音声ガイド付きの“しゃべる”ミシンで、生産支援の一助になる。
サンコウ電子研究所は、コンベア式の検針機「APA-6800」および「APA-6800W」を新たに提案した。APAシリーズがスタンダードで、より検針の感度や操作性を向上させている。
(樋口尚平)