丸2年が経過した「エキスポシティ」
地元の顧客が増加傾向に

店頭レポート

足元商圏の顧客数が増えた
「エキスポシティ」

三井不動産が開発した複合商業施設「EXPOCITY」（エキスポシティ）が開業から3年目に入った。2年目は売りだったエンターテインメント施設の一部が撤退するなど、マイナス面もあったが、売上高は前年並みを確保できたようだ。課題だった地元の顧客数、平日の来館が増えたこともプラスに働いた。

課題は足元商圏からの来館頻度を高めること

2015年11月にオープンした「エキスポシティ」は、「ららぽーと」を核に10近いエンターテインメント施設で構成する複合型の商業施設だ。物販の「ららぽーと」に、シネマコンプレックス、様々な体験ができるテーマパーク、動物館、観覧車など、色々な体験型施設を一緒にした点が特徴である。

敷地面積は約22万3,000㎡で、うち約7万1,000㎡が「ららぽーと」である。年間およそ600億円前後の売上規模を目指すというのが、開業時の公表数値だった。具体的な売上高や来館客数は非公表だが、1年目と比較した2年目の売上推移はほぼ同程度の水準だったという。途中、「ポケモン」のエンターテインメント施設が撤退するなど逆風もあったが、何とか乗り切った2年目ではなかろうか。

物販の「ららぽーと」では、ファッション関連テナントが好調だという。順調に気温が下がったこともあり、秋物の動き出しも良かった。高単価の重衣料がよく動いている。「ユニクロ」を筆頭に、「無印良品」や「アカチャンホンポ」など、大型テナントが着実に顧客を増やしている。そのほか、「ユナイテッドアローズ」「ビームス」などのセレクトショップ系テナントも健闘しているという。

地元商圏の来館数が増えている。30－40代を中心にその前後──10代後半から20代と、60代アッパーの年齢層が多く、3世代での利用が増えている。そのため、家具や子供服などの商材にも動きがある。アパレル系は、感度の高い顧客が多く、カード会員の利用頻度も高くなってきた。週の半ばに実施するポイントフェアも浸透しつつある。

平日の来館者数も増加傾向だが、週末に比べると半分。まだ伸ばせる余地があると考えている。カード会員へ向けた集客策を強化するほか、半径10km圏内からの来館頻度を高めること、従業員の満足度（ES）の向上が3年目の課題だ。

（樋口尚平）