第35回 毎日ファッション大賞 表彰式
島精機製作所、島正博会長2度目の入賞
update: 2017/12/01
毎日新聞社が主催する第35回「毎日ファッション大賞」の授賞式が11月29日東京・恵比寿にて行われた。年間を通じてファッション活動で優れた成果を上げた個人や団体、最も優れた創作を行ってきた新人デザイナー、ファッション界において長く発展に寄与し、功績のあった人などに送られる「毎日ファッション大賞」は、今年で35回目を迎えた。
今回は大賞に「HYKE(ハイク)」デザイナーの吉原秀明さん、大出由紀子さんが受賞。前身ブランド「green(グリーン)」の立ち上げから今年で20年目となる節目の年での受賞となった。 「greenの頃から何度もノミネートされながらも、ずっと受賞できず、『もうもらえないのでは…』と思っていた時期もあった」と漏らす大出デザイナー。この20年間ほとんど同じデザインチームでものづくりをしていることもあり、「自分たちだけでなく、みんなで受賞したようなもの」と喜びを語った。
新人賞・資生堂奨励賞には「YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)」デザイナー、中里唯馬さん、鯨岡阿美子賞には日本のスタイリストの第一人者である高橋靖子さんは受賞した。
話題賞には02年に復刻した「オニヅカタイガー」、15年に復刻した「アシックスタイガー」と共に、世界でも注目されているスポーツブランド「アシックス」と、今年4月開業した「ギンザシックス」が受賞した。
特別賞には、02年にも鯨岡阿美子賞を受賞し、今回で2度目の受賞なった島精機製作所の島正博代表取締役会長が、これまで長きにわたり。
「95年に世界初となるホールガーメントⓇ機を開発し、現在でも改良を重ね、2年前にドレスが作れるようにまで進化させ、さらにこの2年で伸びにくいドレスが作れるようにまで進化しました。しかも、今年で80歳になり、6月には会長に就任し、前回の受賞からは15年と、様々なことの節目に特別賞をいただけて良かったと思います」と、これまでの歩みを思い出しながら授賞の感想を述べた。
授賞式の最後には「ユイマ ナカザト」がパリのオートクチュールファッションショーで発表したコレクションをランウェイ形式で日本初披露。最新技術「3Dユニット構造テキスタイル」という、デジタルパターンをベースに、生地のパーツを組み立てる手法を用い、着用する人の身体にフィットする服を提供できるというコレクション。中里デザイナーはこれまで衣装デザインを続けてきた中で「一人ひとりそれぞれのためにデザインするということは着る人に心から豊かになってもらえるということを知った。この体験を多くの人に届けたい。やがて衣服は一点物しか存在しなくなる。これが人類の未来の姿だと思う」とファッションの未来を伝えた。
(ファッションライター 苫米地香織)
第35回 毎日ファッション大賞
大賞
吉原秀明、大出由紀子/ HYKE(ハイク)デザイナー
新人賞・資生堂奨励賞
中里唯馬/ YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)デザイナー
鯨岡阿美子賞
高橋靖子/スタイリスト
話題賞
アシックス
ギンザシックス
特別賞
島 正博/島精機製作所 代表取締役会長