カイタックインターナショナル チームキットカンパニー
収益性の効率化が着実に進む
update: 2021/02/24
《企業レポート》
カイタックインターナショナルグループのチームキットカンパニー(京都市中京区)では、収益性の効率化が進んでいる。2020年はコロナ禍で難しいシーズンだったが、昨秋から本格的に導入した在庫管理のシステムが、徐々に成果を挙げつつある。
AIによる在庫管理システムを導入
同社は、ジーンズを絡めたナチュラル系テイストのレディスブランド「GRANMA MAMA DAUGHTER」(グランマ ママ ドーター)が主力で、地方を含む百貨店のレディス売り場で着実にファンを増やしている。2020年度は店舗数が増えたこともありリテール部門は伸びているが、やはりコロナ禍の影響を大きく受けた1年だった。
昨秋以降、10月は既存店ベースをクリアして健闘。11月は苦戦傾向にあった。アウター系が苦戦したが、ワンピースが健闘したようだ。パンツの動きが悪く、セットアップへの反応が鈍かった。課題は「客単価をいかに高めていけるか」(井上博文ゼネラルマネージャー)という点だ。
昨秋から、既存店の在庫管理を進めるため、AIを活用したシステムを本格的に導入した。売り上げの効率化を目的にしている。従来、勘や経験に頼りがちだった商品企画や店頭の編集、提案内容について、数値化しスタッフ全員で共有化できる体制を整えた。売れ筋情報や商材の動きが数値化されたことで、店舗間の在庫の融通など徐々に成果が表れてきている。「データを見るスタッフのテンションが高まっている」(井上ゼネラルマネージャー)という。
「GRANMA MAMA DAUGHTER」の定番品アイテムの1つがワンピース。こうした品番は数年間、継続して企画・販売しているが、店舗スタッフの中では「代わり映えがない」と“飽き”が来ていたという。しかしAIシステムで売れ行きを検証すると、新規客には相当数、売れていることが分かった。課題の客単価アップに貢献している一面が見えてきた。
例年、12月に実施していた顧客向けのセールを止め、プロパー消化率を高める方針に転換した。AIシステムを活用し、売り上げや収益性の改善に取り組み始めている。間もなく本格化する春商戦においても、強化アイテムを据えて収益性の向上に取り組み構えだ。併せて出店も継続する計画。今秋まで2店舗前後を展開予定だ。ECサイトも自社運営をメーンに強化する。
(樋口尚平)