ロングセラーソファ「マレンコ」に新作カバーが仲間入り
自宅で洗えて、かけ替え簡単なウォッシャブルニットカバー
島精機のホールガーメント®で実現
update: 2025/07/22
ファッションライター 苫米地香織
イタリアの家具ブランド「アルフレックス」が、1971年から発売し続けているソファ「マレンコ」。張替えがしやすく、パーツ交換ができ、カバーも交換可能ということから、長く愛用している方も多いプロダクトである。
株式会社アルフレックスジャパンは、その「マレンコ」の新作カバーとして、島精機製作所のホールガーメント®を採用した「ウォッシャブルニットカバー」を発売した。
次世代までつなげるための新しい選択肢
アルフレックスは、イタリアでモダンファニチャーに思想と心地よい暮らしの在り方を学んだ創業者が、1969年に日本での展開を始めた家具ブランド。さまざまなプロダクトの中でも、シンプルでありながら、可愛らしいフォルムが特徴的なソファ「マレンコ」は、発売以降100カ所以上の改良を重ね、張替えやパーツ交換など、メンテナンスしやすく、手軽にカバー交換もできることから50年超のロングセラーアイテム。
新作カバーとして島精機のホールガーメント®を採用したのも、ソファ同様にメンテナンスのしやすく、再生繊維を使用し、尚且つ生産過程において端材など無駄なゴミを出さないで作ることができる、といったサステナブルなものを意識してのこと。
株式会社アルフレックスジャパン 商品本部の漆畑匠さんは「新作カバーを開発するにあたって、サステナブルを意識しました。ゴミが出ないこと、再生ポリエステル糸の使用し、メンテナンスしやすさなどはもちろんのこと、さらにニットらしさ、手軽さをキーワードに開発しました」と話す。
島精機のホールガーメント®を採用することになったきっかけは、国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市(JAM)への出展にあたり、島精機からの声掛けでソファカバーを制作することになった。
素材は100%再生ポリエステル素材の杢糸を使用。ネイビー、レッド、ベージュの3色展開で、鹿の子編みにすることでカジュアルな優しい表情を生み出した。「マレンコ」の特徴的なツノのデザインも、角の部分に増し目をして再現。丸みのあるフォルムも伸縮性のあるニットだからこそ実現できた。サンプル生産においても、編地の確認だけで実物サンプルは作らず、デザインや糸の色はデジタルサンプルで対応したという。
価格は、1人掛けで本体込み46万900円(税込み)、カバーのみで14万7400円(税込み)。受注生産となるが、1台分を約1時間程度で編むことが可能。ホールガーメント®をアパレル以外で製品化するのは、同社が国内では初となる。これをきっかけに、幅広い分野で採用されることにも注目していきたい。