渋谷ファッションウィーク2024秋
ファッション×サステナブルに挑戦した
SHIBUYA RUNWAYを開催
update: 2024/10/22
渋谷ファッションウィーク実行委員会は、国内外から多くの人が集まる渋谷・文化村通りにて路上ランウェイショー「SHIBUYA RUNWAY」を2024年10月20日(日)に開催した。このランウェイショーは、100年に一度の大規模再開発で注目を集める東京・渋谷を舞台に開催した「渋谷ファッションウィーク2024秋」の一環として実施されたイベントだ。
多様なカルチャーや人々が交わる渋谷に合わせたコンセプト
「渋谷ファッションウィーク」は、2014年3月の初開催以来、毎年春と秋の開催を重ね、今回で22回目を迎えた。今秋の「渋谷ファッションウィーク2024秋」のコンセプトは「DIVERSE SUSTAINABILITY(多様なサステナビリティ)」とし、「SHIBUYA RUNWAY」ではファッション×サステナブルに挑戦した。
今回の「SHIBUYA RUNWAY」は、ふたつのコンテンツを展開した。一つは、ヴィンテージをテーマに著名人が愛用したファッションアイテムを使ったスタイリングを披露した「THE VINTAGE」。“思いを繋ぐ・継承”をテーマに、俳優・タレントのMEGUMIさん、水曜日のカンパネラの詩羽さん、お笑いコンビ・さらば青春の光の森田哲也さんなど、オシャレに定評のある著名人たちの愛用したアイテムを使いながら、80年代、90年代を彷彿させる懐かしくて新しいスタイリングを披露された。 もう一つは、16年ぶりに制服をリニューアルする東急電鉄株式会社と服飾専門学校の学生たちがコラボレーションし、制服のリメイクに挑んだ「THE INCUBATION」。
イベント当日は、日本を代表するファッションカルチャーの発信拠点である渋谷を舞台に、さまざまな国・地域の人々が行きかう街中で、たくさんの観客がランウェイショーを見守った。100年に一度の大規模再開発で生まれ変わる渋谷と同様に、ファッションでも古き良きものを再利用し、新しい価値を生み出す取り組みを表現した。
著名人の愛用品がゲットできるポップアップストアも開催
一つ目のコンテンツ「THE VINTAGE」のランウェイショーで使用された著名人のアイテムは、その後、10月19日・20日に西武渋谷店もヴィータ館6階で開催された連動企画「THE POP-UP」で抽選販売された。
連動企画「THE POP-UP」は、MEGUMIさん、詩羽さん、森田さんのほか、アートディレクターで株式会社れもんらいふ代表の千原徹也さん他、タレントやモデル、クリエイターが参加し、私物2~300点を販売した。
ほかにも会場には、ハラカドの角打ち「STUDIO SUPER CHEESE(スタジオスーパーチーズ)」が出張出店し、プロカメラマンによる撮影会やビール・食事などとのケータリング販売も実施された。
初日の開店前には、ここでしか手に入らないファッションアイテムを求めて長い行列もできた。ランウェイショー終了後の会場を訪れてみると出品されたアイテムはほとんど残っていなかった。
可能性を秘めたデザイナーを発掘できる新たな場に…
東急電鉄株式会社と服飾専門学校の学生たちのコラボによる「THE INCUBATION」では、最初に東急電鉄の新制服も披露。以前の制服よりも全体的に色味が濃くなり、落ち着いた雰囲気の制服にリニューアルされる。それに続き、今回リメイクの基になった旧制服も披露された。
リメイクに挑戦したのは、エスモード・東京校、バンタンデザイン研究所、文化服装学院、むさしのファッションカレッジ、東京モード学園の5校の学生たち。パートナー企業に、古着回収やアップサイクルアイテム制作、服飾系や美術系学生やクリエイターに古着の無償提供をおこなう株式会社FASHION Xを迎え、イベントに向け自作のデザインを応募、厳正な審査がおこなわれた。
最終的に選ばれた5校15作品は、リメイクアイテムなども手掛けるファッションブランド「old honey(オールドハニー)」の原まり奈デザイナーを監修に迎えて、さらにブラッシュアップされ、この日のランウェイで発表された。
原型を活かしたデザインもあれば、襟やカフスといったパーツを上手く組み合わせて造形的な作品に仕上げたもの、さまざまな素材を取り入れドレスなど、レベルの高い作品が出揃った。観客から「すごいね」「どうなってるの」など、驚きの声が聞かれた。
ショー終了後、渋谷ファッションウィーク実行委員会の大西実行委員長は、「今秋の渋谷ファッションウィークは、多様な方々と一緒に“ファッション×サステナブル”に挑戦しました。さまざまな人たちとファッションでつながることができで良かった。また、このランウェイショーが新たな若手デザイナーの登竜門となるコトにも期待し、これからも続けていきたい」と感想を語った。
(ファッションライター 苫米地香織)