株式会社AOKI
【約7割の女性がメンタル・仕事への悪影響を実感】夏の冷房ストレス実態を調査
~産婦人科医・尾西芳子先生が、冷房病※リスクと対策を解説~「見過ごされがちな冷えがもたらす心と体への影響」
update: 2025/05/30
株式会社AOKI(代表取締役社長:森裕隆)が運営する『ジャケジョ研究所』では、ジャケットに関する悩みやHOW TO情報を提供し、ジャケットを着用する女性をサポートする活動を行っています。
今年の夏も猛暑が予想される中、20〜50代の働く女性を対象に「夏の冷房ストレスに関する意識調査」を実施しました。この調査では、夏の冷房による「冷え」によって引き起こされる悩みやストレスの実態を明らかにしています。さらに、「見過ごされがちな冷えがもたらす心と体への影響」と語る産婦人科医・尾西芳子先生のアドバイスを軸に、多くの女性に起こり得る夏の”隠れリスク”に焦点を当て、冷房による冷えの実態と、日常生活に取り入れやすい対策方法をご紹介します。
ジャケジョ研究所:https://www.aoki-style.com/feature/jacketjoshi/
■夏の冷房による冷えリスクと対策について、産婦人科医の尾西芳子先生が解説
【男女でここまで違う?「冷えやすい体」の構造的な理由】
―なぜ、夏でも女性は冷えに悩まされやすいのでしょうか?
最大の要因は、男女の身体構造の違いです。筋肉は熱を生み出しますが、女性は筋肉量が少なく、脂肪が多い傾向にあるため、体内で熱がつくられにくく、冷えやすいのです。しかも脂肪は、一度冷えると温まりにくい性質があります。さらに女性ホルモンの影響で、むくみや自律神経の乱れが起こりやすく、生理中は体温が下がりやすいため、冷えを感じやすくなります。服装の影響も見逃せません。下着やストッキングの締めつけによる血行不良、首・手首・足首の露出傾向があることも、冷えの原因になっています。
【“冷え”が引き起こす、見えない不調とメンタルへの影響】
―冷えを放置すると、どのようなリスクがありますか?
夏の冷えは“冷房病”を引き起こします。原因は、屋外と屋内の極端な温度差による自律神経の乱れです。これが肩こりや頭痛、生理痛の悪化を引き起こし、慢性化すれば気分の落ち込みや集中力の低下にもつながります。「気づかぬうちに、冷えがメンタルを削っていく」これが冷えの怖さです。放っておくと、仕事のパフォーマンスにも確実に影響してしまいます。
【「冷えを感じてから」では遅い。今すぐ始めたい予防習慣】
―では、どのような対策が効果的でしょうか?
まず意識してほしいのが、“冷える前に温める”ということです。とくに“首・手首・足首”の“三首”は、太い血管が通る冷えの急所です。ここを覆うだけでも大きな予防効果があります。また、手先や足先などの末端が冷えると血流が滞り、肩こりや頭痛などの不調につながることもあります。
服装なら、夏でも軽めのタートルネックや、首の裏・手首を覆いやすいジャケット、足首まで隠せるパンツスーツなどを活用すると良いですね。また、冷たい飲み物ばかりではなく、温かいお茶や味噌汁、生姜や根菜などの食材を取り入れる“内側からの温活”も有効です。
【職場で実践できる、小さな工夫の積み重ねが大切】
―オフィス環境で、すぐに始められる工夫はありますか?
まずは、風が直接当たらないように空調の向きを調整したり、羽織りものや膝掛けを常備するなど、手の届くところから対策を始めてみてください。中でも、ビジネスシーンでも着用するジャケットやカーディガンなどの羽織りものは、首や手首、腰まわりを冷えから守るのに役立ちます。特に、ジャケットは襟や裏地があるので首・手首を守り、丈もあるので足元に掛けても温かさを保てるのでおすすめです。また、足を動かす軽い体操やストレッチも、血流を促して冷えにくい体づくりに繋がります。日々の小さな工夫が、心と体の健康を支えてくれます。
【「冷え対策」は、女性個人だけの問題ではない】
―働く女性や企業に向けて、どのようなメッセージを伝えたいですか?
“夏の冷え”は見えにくく、つい我慢されがちです。しかし実際には、じわじわと心身を蝕む、深刻なリスクです。だからこそ、「冷え対策=自己責任」とせず、職場環境や制度の整備も含めて、社会全体で取り組むべき問題だと思います。経済産業省が2024年2月に発表した試算によれば、女性特有の健康課題による経済損失は、年間でおよそ3.4兆円にものぼります。これは、もはや個人の工夫や努力だけで解決できる問題ではありません。冷えに向き合うには、服装・食生活・職場環境という“3つの方向”から整えていくことが大切です。
“冷える前に温める”予防意識を持つことが、健康で前向きにお仕事に取り組むための力になっていくはずです。