豊和
米国工場が成長路線に乗る
update: 2014/06/09
ジーンズの洗い加工を手掛ける豊和(倉敷市児島)が運営する米国・ロサンゼルス工場が軌道に乗りつつある。グローバル化を意識して進出した異国の地で、海外展開の拠点を築きつつある。
海外販売の拠点の1つに期待
米国工場は同国内向け販売のジーンズを加工・生産する目的で進出。隣接する場所にはアウトソーシングで縫製工場を併設し、製品・加工という一貫生産の体制を整えている。川下(小売り)の顧客に近い所で、工場を操業するという方針の下、生産体制を構築してきた。
工場のスタッフは200人。全員メキシコ人で、日本から3-4人が出向して技術指導に当たっている。ようやくスタッフの技術が向上してきたこと、また米国内のアパレルメーカーから注文を集められるようになったことで、状況が好転した。
米国工場に縫製場を併設した狙いについて、田代豊雄代表取締役CEOは、「日本と同じように、米国でもアパレルに対して、生地と洗い加工をセットで製品提案するべきと考えた」と説明する。
米国市場では、シンプルなテイストのジーンズが売れているという。オゾンの脱色効果を使い、日焼けしたユーズド感を出す「エアーウォッシュ」を活用したジーンズ。生地の色は濃く、シェービングなどの後加工はおとなしい目だ。
新しい取引先の開拓も常時、進めている。米国工場の生産ラインに余裕ができれば、日本のセレクトショップやSPAメーカーのOEM(相手先ブランド生産)を受注する可能性もあるという。
(樋口 尚平)