国内・中国ともに好調を維持
濃紺の次に加工物の流れに期待
洗い加工大手西江デニム
update: 2014/01/08
洗い加工大手の西江デニムは、2013年は国内加工場、中国加工場ともに堅調に推移した。市場ではブルーデニム不振と伝えられるが、同社には一定数量のブルーデニムの受注が流れており、そこに今春夏にブームとなったカラーパンツ類の受注が加わり、国内加工場は100%以上に稼働したという。
しかし、その一方で、ブルーデニム不振によってレディースアパレルやSPA各社のデニム加工の取り扱いは激減しており、それは同社にとっても「ボディーブローのようにジワジワと効いている」(同社・西江誠専務)状況にある。
国内加工場では大手ナショナルブランドからの受注が激減し、現在はビンテージ系ブランドからの受注が支えている。中国加工場は大手SPA企業からの受注が好調を維持した。来春向けの商材としてはやはりカラーパンツ類が強く、2013年12月時点での受注構成比はカラーパンツ類がすでに約30%を占めている。
中国市場の動向については、中国経済の不調からか「中国内販向けの現地アパレルに勢いがない。旧正月前でも中国の各工場は全般的にスペースに余裕がある」(西江専務)と指摘する。また同社の中国加工場もかつては受注の半分くらいが内販向け商材だったが、最近は内販向け受注が減っており、海外向けSPAブランドが増えているという。
一部では来年ブルーデニム人気が復活すると報道されている件については、たしかに「話し込みの件数は増えてきた」としながらも、来春は、ここ数年続いてきたノンウォッシュ・ワンウォッシュなどの濃紺デニムの人気がピークになると見る。その上で、「過去の経験から言うと、ノンウォッシュ人気の次に洗い加工物の人気が来る。今回もそのサイクルがあてはまるかどうかわからないが、期待したい」とする。
(ファッションライター 南充浩)