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小型専門店こそ自ら出向き、情報発信を
苦楽園のセレクトショップ「パーマネントエイジ」

update: 2013/08/19

「パーマネントエイジ」 レディーストップス

「パーマネントエイジ」
レディーストップス

現在、相次ぐ大型商業施設の開設が話題となっているが、そこに出店しているのは、有名セレクトショップも含めて大型チェーン店ばかりである。業界紙・経済紙ともに自然と大型チェーン店の動向ばかりを伝えることになるのだが、業界にとって真に有益な情報とは、小規模専門店の動向ではないだろうか。そこで今回は林行雄さんがオーナーを務める兵庫県西宮市・苦楽園のセレクトショップ「パーマネントエイジ」の取り組みを取材した。


「パーマネントエイジ」 メンズトップス

「パーマネントエイジ」
メンズトップス

林さんによると「この2年はとくに好調です」という。パーマネントエイジは約30坪。創業して今年14年目を迎える。40代以上の男女に向けたナチュラルでベーシックなカジュアルをそろえており「アメリカーナ」「コンバース」「アディダス」「ニューバランス」「ミズイロインド」「ロロ」「スペルガ」などのブランドを扱う。


「パーマネントエイジ」 オリジナルのTシャツ

「パーマネントエイジ」
オリジナルのTシャツ

消費不況の状況下で、通常の小規模専門店はお客をいかに店舗に呼び込むかを腐心しているが、パーマネントエイジは反対に自店が足を使って各地へ出向く。3~4年前から「デフ」「ロロ」「トリトンカフェ」「チェック&ストライプ」などと合同で百貨店での期間限定販売を開催している。年に3~4回のペースで、北海道、名古屋、九州の百貨店で販売会を行う。各百貨店での売れ行きもそれなりの水準に達してきたが、この催事がきっかけで出店先の地域から苦楽園の本店まで訪ねて来てくれるお客が増えたという。


「パーマネントエイジ」 靴類

「パーマネントエイジ」
靴類

またネットで情報を飛ばすことにも積極的で、2004年から開始した自社のオンラインショップは年間数千万円の売上高にまで成長した。楽天やヤフー、アマゾン、ZOZOTOWNなどの大手サイトには登録せず自社サイトのみで販売を続けてきた。林さんは「お盆時期と年末年始以外、毎週金曜日に欠かさず新商品をアップし続けてきたことがようやく効果を発揮し始めました」という。開始時期はほとんど反応がなかったが、更新を地道に続けていると徐々に効果が出始めた。


「パーマネントエイジ」 オリジナルのレザーバッグ

「パーマネントエイジ」
オリジナルのレザーバッグ

さらには自社オリジナル製品も企画製造し、それを他社店舗に卸売りも行っている。最初はレザーバッグ類からの取り組みだった。繊維製品と異なり、レザーは原料のロットが大きくないので、少数でもオリジナル製品が製造しやすい。そこでレザーバッグ類を企画し、3年前に東京ギフトショーに間借り出展したところ予想以上の引き合いがあり、大型店を含めた他社店舗に卸売りを行うことになった。その後、Tシャツ、パンツ、セーターなど衣料品のオリジナル製品作りにも手を広げた。


「パーマネントエイジ」 雑貨も豊富にそろう店内

「パーマネントエイジ」
雑貨も豊富にそろう店内

林さんは「専門店だから百貨店で催事を行うのはどうか?とか、パソコンを触るのは億劫だからネット販売はやりたくないとか、他社店舗への卸売りはいかがなものか?とか自らタブーを作りすぎているのではないか?」と現在の専門店の姿勢に疑問を投げかける。市況が厳しい現在だからこそ、小型専門店には積極的な姿勢が必要不可欠ではないだろうか。

(ファッションライター 南充浩)

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