MENU
TOP > 業界ニュース > 財務分析レポート H&M AB、2015年11月期 連結決算 店舗数が増加し、増収増益を達成

財務分析レポート
H&M AB、2015年11月期 連結決算
店舗数が増加し、増収増益を達成

update: 2016/02/01

2015年11月期 財務諸表(表1)

2015年11月期
財務諸表(表1)

「H&M」などカジュアルアパレルショップを展開するH&M(ヘネス&マウリッツ) AB(スウェーデン)の2015年11月期連結決算は、引き続き順調に店舗数が増えたこともあり、増収増益を達成した。営業収益(売上高)は2ケタ増、利益の伸び率は1ケタ台に落ちたが、依然、高い水準を保っている。

日本市場もプラス成長

グループの連結売上高は1,808億6,100万スウェーデンクローナ(2兆5,320億5,400万円、1クローナ=14円で換算、VAT=付加価値税を除く)、前年同期比19.4%増と好調に推移した。主力の「H&M」業態を中心に出店が順調に進んだことも後押しになった。売上高総利益率(粗利率)は57.0%で1.8ポイントの減少。販管費率も0.2ポイント上昇した影響で、前期15%前後だった利益の伸び率が低下した(表1参照)。

日本の会計基準で経常利益に該当する金融項目控除利益および営業利益の売上比率は15%前後と高い水準を保っている。当期純利益も11.6%と2ケタ台である。地域別の業績は、Germany(独)が369億4,300万スウェーデンクローナ(5,172億200万円)、5.7%増と堅調な推移。日本地区は37億5,400万スウェーデンクローナ(525億5,600万円)、11.9%増と2ケタ増だった。

期末の総店舗数は3,924店(出店472、退店59)とさらに拡大した。日本地区では57店(出店8、退店2)とやや増加した。ちなみに退店2は、大阪・心斎橋の「Monki」「Weekday」業態の撤退である。

今期も積極的な出店を継続

2015年11月期 地域別売上高(表2)

2015年11月期
地域別売上高(表2)

財務面では、ドル高による仕入れコストの増加や店舗増、気温の高い秋商戦の影響で棚卸資産(在庫)が28.0%増加。利益面に影響が見られたが、商品回転率は3.5回転と前年並みの水準を維持した。

粗利率が減少した影響で、交差比率も減少した。資本回転率は微増した。受取利息(NET)3億スウェーデンクローナの計上も小さくない。売上高純金利負担率も受取超過状態。手元流動性比率は微減した。有利子負債の計上がなく、財務面における深刻な材料は見当たらない。

2016年度は、425の新店舗を出店する計画だ。中でも、ChinaとUSAが主な市場になる。そのほか、新たに3つの新規市場――ニュージーランド、キプロス、プエルトリコへも進出する。今期も積極的な出店を継続する。

(樋口尚平)

ペガサス ビッグジョン シキボウ 豊和株式会社 シマセイキ 株式会社デサント かまだプリント株式会社 ゴールドウイン ドミンゴ ミズノ株式会社 ダンス ウィズ ドラゴン