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企業レポート
帝人グループ 役員懇親会
鈴木社長 3つの柱で「構造改革を推進する」

update: 2015/12/07

鈴木純代表取締役社長CEO

鈴木純代表取締役社長CEO

帝人グループの役員と報道関係者による懇親会が12月4日、大阪市内で開催された。帝人株式会社の鈴木純(すずき・じゅん)代表取締役社長CEOが挨拶し、修正中期経営計画が順調に推移していること、また今後の方針について語った。

「修正中期計画」を1年前倒しで達成の見込み

帝人 実績と中期計画数値

帝人 実績と中期計画数値

鈴木社長は昨今の国内外の市況に不透明感があると語ったが、11月に発表された2016年3月期第2四半期は大幅な増収増益を達成した。「修正中期計画」で掲げた構造改革が着実に数値面で表れつつある。

「今後、発展・成長の礎になるのが、修正中期計画の具現化だ。今年度は①構造改革の着実な実行、②成長戦略や発展戦略の基盤整備、③成長戦略や発展戦略への重点資源投入を重点課題として取り組んでいる」

「修正中期計画」とは、同社が昨年11月に発表したもので、2016年度(2017年3月期)にグループ全体で連結売上高8,000億円(当初は1兆3,000億円)、営業利益500億円(同1,000億円)、営業利益率6%(同8%)、当期利益250億円(同600億円)、ROA(総資産経常利益率)6%(同8%)、ROE(自己資本当期利益率)8%(同12%)、D/Eレシオ(デット・エクイティー・レシオ)1.2(同、公表値なし)という経営指標だ。大幅な下方修正だった。

先日発表された2016年3月期第2四半期では、大幅な増収増益を達成。通期見通しでは営業利益580億円、当期利益が340億円と、利益面において上記の「修正中期計画」の目標数値を1年前倒しで達成する見通しだ(別表参照)。鈴木社長は「為替など特殊要因もあるが、それを差し引いても、年間の営業利益500億円を上回る基礎収益力を確保できつつあるのではと考えている」と、経営改善の手応えを感じているようだ。

前述の通り、今期は3つの柱「①構造改革の着実な実行、②成長戦略や発展戦略の基盤整備、③成長戦略や発展戦略への重点資源投入」で収益力の改善に取り組んでいる。

「1つ目の『構造改革』は儲けの少ない事業を削るだけではなく、文字通り事業の構造を変えることを意図している。自分達の強みをフォーカスし、それを組み合わせ、新しい価値やビジネスを築き上げ、10年20年と稼ぎ続けられる強固な企業へと変わっていきたい」

「2つ目の『成長戦略や発展戦略の基盤整備』では、今年8月に松山事業所内に高機能素材のソリューション開発拠点である『技術開発センター』を開所した。これまで分散していた素材開発やソリューション開発、エンジニアリング機能などを統合・融合した」

「3つ目の『成長戦略や発展戦略への重点資源投入』では、8月タイに新しいメタ系アラミド繊維『Teijinconex®neo』(テイジンコーネックスネオ)の生産・販売拠点を開設したが、これは既存事業をベースに新たな価値を創造する基本戦略の1つだ」

同社は2018年に創立100年を迎える。「その時に『よくがんばったね』と社員と喜びを分かち合えるよう、次の100年へ向けての変革を進めたい」(鈴木社長)と今後の抱負を語った。

(樋口尚平)

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