ユニクロが地域密着型店舗を開発
「ユニクロ 京都河原町店」をリニューアルオープン
update: 2019/11/22
《店頭レポート》
ファーストリテイリング傘下のユニクロが11月22日、地域密着型の店舗「ユニクロ 京都河原町店」(京都市中京区河原町通三条下ル)をオープンした。既存店を増床・リニューアルした新しいコンセプトのショップで、京都の地域や客層を意識した店舗に仕上がった。地元の企業などと協業するなど、新しい試みが盛り込まれている。
ターゲットは京都の在住者、“個店経営”を意識した店作り
「ユニクロ 京都河原町店」は、商業施設「ミーナ京都」の地下1階から地上3階の4フロアで展開する。2008年4月、同施設の5-6階にオープンした既存店がベースになっている。売り場面積は500坪から900坪へ拡大した。京都では最大の店舗で、品揃えはフルラインナップだ。
今回、リニューアルオープンした狙いについて、ファーストリテイリンググループの桑原尚郎 上席執行役員は、「画一的なことをするのではなく、地域の顧客に気に入ってもらえる経営をやるべきと考えている。“個店経営”を意識した。伝統と革新が同居する京都で、新しい店舗を出店する機会に恵まれた」と説明した。ターゲット層は、京都在住のユーザーである。
店舗の広告物には、老舗店舗や学生など地元の人物を採用。親近感の湧く店舗イメージを発信しようと試みている。また同店には別途、京都市内に出店する15店の「ユニクロ」の象徴として、愛称を「京都ゆにくろ」と名付けた。
キッズ売り場を充実、MDの精度アップを図る
従来、あまり使用されてこなかった“木目調”の内装や什器を新たに採用。店舗ロゴも従来は赤と白のデザインだが、京都の町家をイメージした“藍色”を初めて使用した。「京都に住む人にとって、一番買いやすい売り場を意識した。京都の地域の顧客に合った店舗にしていきたい」(橋本秀人 店長)。
元々、女性客が多く訪れる京都店だが、新しい店舗ではファミリー層の取り込みを目指し、京都では最大規模のキッズ売り場を設けている。京都の限定品のほか、関西では初めて「UT」の受注サービスも提供する。「同じ地域や商圏でも、店舗間で売れ筋商材が異なる」(桑原執行役員)ため、リニューアルオープン後もこまめに、MD構成の修正を続ける方針だ。
年間の売上目標は非公表だが、「面積がおよそ倍になったので、最低でも既存店の2倍は目指したい」(桑原執行役員)と意気込む。約4-5年前から、東京・吉祥寺や北海道・札幌駅前などで地域密着を意識した店舗を開発してきた同社。今後は「全店で(地域密着型に)取り組みたい。この新しい京都店で、ほかの店舗の“手本”を示したい」(同)と考えている。
(樋口尚平)