ユニクロ、「UNIQLO SHINSAIBASHI」をオープン──既存との2店舗体制で顧客の取り込みを強化
update: 2023/11/23
《店頭レポート》
ファーストリテイリングのグループ企業、ユニクロが11月23日、大阪・心斎橋に新店舗「UNIQLO SHINSAIBASHI」(ユニクロ心斎橋)をオープン。2021年8月まで、グローバル店舗を出店していた場所で、地元・大阪を意識した内装や商品構成に改めた新店舗として再スタートを切る。
インバウンドも多い足元の商店街を意識した商品構成
新店舗「UNIQLO SHINSAIBASHI」(大阪市中央区心斎橋筋)は長堀通と心斎橋筋が交わるすぐそばに位置し、人通りが多い好立地。周辺には「H&M」や「Gap」、「パルコ」「大丸心斎橋店」など、ファッション関連の路面店舗が集積している目抜き通りの一角だ。2021年8月まで、「ユニクロ」のグローバル店舗を出店していたが、コロナ禍の影響もあり閉店していた。
コロナ禍も終息し、周辺地域やインバウンドなどからの来街者で賑わいが戻ってきたこともあり、地元の大阪を意識した新しい内装や商品構成に改め、新店舗としてオープンすることになった。心斎橋筋沿いに約400m南へ下った場所に既存店「ユニクロ心斎橋」(「ユニクロ」と「ジーユー」で構成)があるが、今後は2店舗体制で顧客の利便性を高めてファンの創出に力を入れる。既存店「ユニクロ心斎橋」は店名を「ユニクロ心斎橋筋商店街店」に改称する。
新しい店舗は地下1階、地上4階の5層構造。地階と1階はウイメンズ、2階がメンズ、3階がメンズ・キッズ・ベビー、4階がUTと特設スペースの構成だ。4階の特設スペースはシーズンによりラインナップを随時、変更する。品揃えは既存の「ユニクロ心斎橋」と重複する面もあるが、2店舗で顧客の利便性を高める狙いがある。内装は“大阪”の街をイメージしたデザイン。商店街の電飾看板や関西弁のPOPなど、地元の特色を前面に推し出している。
「UT」では大阪由来の企業7社と協業、「アニヤ・ハインドマーチ」のコラボ品も
新店舗「UNIQLO SHINSAIBASHI」において、地元・大阪を意識した商品企画の1つが、Tシャツの商品群「UT」と大阪由来の企業7社との協業品。「喜八洲総本舗」や「くらこん」「サンガリア」などの企業ロゴをあしらったTシャツを企画した。カスタマイズサービス「UTme!」では、7社のロゴをアレンジできるオーダーTシャツも取り扱う。
そのほか、今秋から初展開する「アニヤ・ハインドマーチ」とのコラボ商品も取り扱う。全国で21店のみフルラインナップ展開する商品群だが、「UNIQLO SHINSAIBASHI」もその店舗の1つだ。また地下1階には、デビューから20周年を迎えた「ヒートテック」の特設コーナーも展開。各フロアのスペースを有効活用し、顧客取り込みを進める。地上1階の入り口付近には、既存店で扱っていた生花「UNIQLO FLOWER」を移設している。
インバウンド客が多い立地を想定し、店内の案内板を5か国語で表記しているほか、販売スタッフは語学に堪能な人材を積極登用した。また、セルフレジとは別に、インバウンド客向けに免税手続きを受け付ける“有人”のレジも充実させている。
グローバル店舗を開発、展開していた「ユニクロ」業態だが、昨今は大阪のほかに仙台や福岡などの地方都市で地元限定のイベントなどを開催し、新しいローカライズの可能性を模索している。今夏には、地元企業と大阪芸術大学が参画した限定商品を展開するイベント「大阪祭」を実施した。新たに生まれ変わった「UNIQLO SHINSAIBASHI」では、今後どのようなローカライズが見られるだろうか。
(樋口尚平)