ジャパン・ベスト・ニット・セレクション2022
これからの日本の服づくりを想起する
新機種・新規プロジェクトを展示
update: 2022/12/19
2022年12月14日(水)~15日(木)の二日間に渡り、東京都立産業貿易センター浜松町館にて『ジャパン・ベスト・ニット・セレクション2022』が開催された。国内のニット関連企業45社が集まり、今期のテーマ「考えよう、日本の服づくり」に沿った提案を見せた。二日間共に会場は大盛況で、たくさんの来場者がニットの可能性に触れた。
創立60周年記念イベントで披露したプロジェクトをギュッと凝縮
ジャパン・ベスト・ニット・セレクション2022のサポーター企業として、島精機製作所も出展。今回は、2022年9月1日~11月30日まで和歌山本社で行われた同社創立60周年記念イベントでも披露した内容をギュッと凝縮して展示した。
最新機種 SWG-XR 最後の「R」には革命を意味するレボリューション、 再生を意味するリボーンという思いが込められている。
メインはホールガーメント®新機種「SWG-XR」。同社がこれまで開発してきたホールガーメント®横編機のメリット・デメリットを洗い出し、それによって生産効率を25%(同社比)アップさせた機種になる。セットできる糸数も増え、これまではできなかったレースやエンボス加工のような表現、編み目の大きさを微妙に変えることでグラデーションのような表現もできるようになり、アイテムやデザイン幅が大きく広がった。
こういった表現ができる編成データは同社が運営している「シマ・データモール」で購入することが可能。データそのままを使うこともできるが、そのデータを元に自分で加工し、独自の編成データを作ることも可能だ。
これまでは手間が掛かってできなかった表現が 最新機種では挑戦しやすくなった
ホールガーメント®横編機の元となった手袋編み機「SPG」も発売された1979年以来のリニューアル。試作段階ではあるが新機種「SPG-R」で作られた手袋も並んでいた。
SDGsにまつわる新プロジェクトも披露
その他にもベンチャープロジェクトとして、牛乳パックから再生した糸を使った靴下やAPEXの活用を見直し、生産現場だけでなくVR、AR技術を店頭でも活用できるようにKDDIと共同開発しているクロスリアリティ(XR)技術も展示された。
さらに2022年9月から国内のニットファクトリーが企画生産する国産ニット製品を販売するオンラインスト「ブルーニットストア」の取り組みも紹介した。繊維製品の国産化率を回復させ、ニットファクトリー各社のD2Cビジネスを応援すると共に、ファッションビジネスに関わる環境などの社会課題の解決をパートナー企業やクリエーターと一緒に目指していく。
2023年2月には東京プライベートショーを開催
2023年2月7日(火)~9日(木)の3日間、科学技術館にて「SHIMA SEIKI東京プライベートショー2023」を開催する。2019年以来、4年ぶりに行われるプライベートショーでは、同社の製品が一堂に実演し、トータルファッションシステムの提案をする予定だ。
(ファッションライター 苫米地香織)