あべのハルカス近鉄本店 レディス売り場──今秋、第2弾の改装を実施
4-5階フロアを強化、買い回りを促進する狙い
update: 2022/08/03
《店頭レポート》
大阪・阿倍野に店舗を構える百貨店「あべのハルカス近鉄本店」が9月3日、4-5階のレディス売り場を改装する。今春に続く第二弾で、新しい層の女性客を取り込むほか、買い回りを促進する狙いがある。今回の改装計画も、昨年5月28日に発足した百貨店事業本部・本店の「ファッションプロジェクト推進部」が担当した。
高感度の顧客を深掘りする目的も
今秋に改装するのはウイング館の5階とタワー館の4階部分。「ファッションプロジェクト推進部」が目指している「主力商材の1つである3-5階フロアのレディスアパレル」の強化・拡大が大きな狙いだ。今年3月に改装した第一弾はタワー館4階の自主編集売り場「Salon de GATE」(サロンドゲート)のオープンだった。同売り場では、ターゲットにした“高感度のエンドユーザー”の利用が増え、一定の成果を上げている。
ウイング館の5階で新たに展開するのは「いろどりマルシェ」。元々ミセスを対象にしたフロアで、今回は50代以上の女性をターゲットにする。衣食住の各商材を1つの売り場で取り揃える“スクランブルMD”で、「Salon de GATE」に続く第二弾だ。キーワードは「共感、安心、コミュニティ」。目的がなくても「ふらっと立ち寄りたくなる“大人のたまり場”」を提案する。
アパレル系ブランドでは、「ヤッコマリカルド」や「ガーデンセンソユニコ」、セレクトショップ「エムニプラス」などを集積。また、地域の食品をセレクトした「きしな屋」が百貨店では初出店するほか、自然派化粧品の「オリエンステラ」「自然をちからに」といったブランドや観葉植物も取り揃える。併設するコミュニティースペースでは、随時ワークショップを開催する予定だ。同フロアにおいて、「買い回りを促進する」(百貨店事業本部・本店・ファッションプロジェクト推進部、田持瑞季 係長)狙いがある。
タワー館の4階では、セレクトショップ「Phare ANOTHER CLOSET」(ファーレ アナザークローゼット)が出店。キャリアを対象にしたフロアにおいて、高感度な客層を想定したテナントを拡充する。「Y‐3」「MSGM」「マルニ」など国内外の約40のデザイナーズブランドを扱う。既存の「Salon de GATE」との相乗効果を期待している。
また同ショップ内には、ネイルサロンの「Elro」(エルロ)を併設。著名なネイリストの山名美沙氏がプロデュースした業態で、カラー診断のできる点が特徴だ。「Salon de GATE」で増えた高感度の顧客を「さらに増やす狙い」(田持 係長)がある。
(樋口尚平)