第9回 ファッション ワールド 東京[春]
各社のサステナブルな取り組みに大きな関心
アパレル業界の様々な面がデジタル化へ
update: 2022/04/11
2022年4月6日(水)~8日(金)まで東京ビッグサイト西1・2ホールで「第9回 ファッション ワールド 東京[春]」が開催された。国内外から約360社が出店する日本最大のファッション展示会で、アパレルブランドだけでなく、生地・素材、副資材、OEM・ODM、サステナブル、ファッションDXなど、幅広いカテゴリーが一堂に会する。 その中でも今回で2回目となる「サステナブル ファッションEXPO[春]」と今回初の「ファッションDX EXPO[春]」は注目度が高く、多くの人が集まっていた。
各社がサステナブルな取り組みをアピール
「サステナブル ファッションEXPO[春]」では、これまで各社が自社の得意としていることをベースにしてきた製品や新たに開発したサステナブル素材などを提案。
シキボウでは、グループ会社で、国内最大の杢糸メーカー新内外綿株式会社と連携し、アパレルメーカーや工場から出た裁断くずやC反、古着などを裁断、反毛し、糸や製品にリサイクルするシステム「彩生(saisei)」を提案。
また、これまで消臭技術の「デオマジック」や抗ウイルス、抗菌加工繊維「フルテクト」などを展開している経緯からフェムケア製品に向けた素材提案も行っていた。
SDGsは環境だけでなく、働き方も重要な公約になっているからこそ、フェムケアアイテムも重要な要素として打ち出した。
多岐にわたるファッションDX
今回初の開催となる「ファッションDX EXPO[春]」では、デジタルでモノづくりを支援する企業だけでなく、在庫問題に取り組む「フルカイテン」や最新のAI技術でオンライン試着ができる株式会社衣服知能、動画コマースを提案する株式会社visumoなど、業界の様々な面でデジタル支援する企業が出揃った。
株式会社島精機製作所では、これまで提案してきたホールガーメント横編機やデザインシステムAPEXなどの連携を一目で実感できる展示を行っていた。特にデザインシステムの性能や再現性などが向上していくのに伴い、ホールガーメント横編機も指定された条件でシームレスに製造できるように性能をアップ。今回は最新機種である「SWG-XR」を展示した。この最新機種では、これまでも可能だった凹凸感のある編地が、さらに進化してギャザーのような深い凹凸が編めるようになった。また、極端細い糸を使い繊細なレースを編むことも可能になった。
市場に出回っている糸の情報が検索でき、デジタルサンプリングにも使える「ヤーンバンク」に続き、現在は島精機オリジナルのニット編成データ、ニットの組織柄やジャガード柄のデータ、3Dバーチャルサンプリングのベースとなる3Dベースなども提供する「SHIMA Datamall(シマデータモール)」の開設を準備中だ。
同社のデザインシステムAPEXシリーズやホールガーメント横編機とシームレスに連動し、モノづくりのDX化をさらに進められるようにサポートしていくとのこと。「シマデータモール」は5月からスタートする予定。
(ファッションライター 苫米地香織)