カイタックインターナショナル
チームキットカンパニー、2020年春夏展
update: 2019/10/07
《展示会レポート》
カイタックインターナショナルのチームキットカンパニー(京都)の2020年春夏シーズン展。コーディネートの幅を広げる羽織りものなどの商材を増やした。オリジナルのプリント柄を使用した企画も継続提案した。
コーディネートを意識したMD構成
同社の2020年シーズンの業績推移は、累計で140%と好調を持続している。トレンドがナチュラル系に振れている追い風もあると分析している。利益面も改善しており、通期では増収の見通しだ。端境期の8月が堅調で、9月の秋物の動きも悪くなかった。主力のレディスブランド「グランマ ママ ドーター」がけん引役になっている。百貨店のショップインショップのほか、特に直営店が好調だった。
2020年春夏向け企画では「グランマ ママ ドーター」において、コーディネート提案が可能な羽織りものなど新しいアイテムを追加した。トレンドアイテムのワンピースなどは強みの1つだが、セット数や客単価が増えにくい面があった。袖なしのワンピースにニットや布帛のトップスを合わせることで、気温調整とコーディネートの幅を広げることができる。
一方、メンズ「カトー」ブランドは、関東圏のショップを中心に堅調な推移だ。現在、商品企画や展開販路をどうするのか、検討中である。新しいブランド方針が固まるのは、少し先になりそうだ。
店舗オペレーションの効率化を進める
かねて店舗オペレーションの精度アップに取り組んでいる同社。MD面では端境期や前述のコーディネート提案が可能な商材の拡大を進めてきた。レディスブランドを中心に進めている商品企画も、こうした効率の良いショップ運営を意識した面がある。
今秋をめどに、“AI”を活用し、各店舗間の在庫の適正化を進めようとしている。MD面ではコーディネートの幅を出して販売効率を高める一方、バックヤードでは在庫管理を厳格化し、収益性の向上を図る。
AIのシステムを導入する狙いについて、井上博文ゼネラルマネージャーは「既存店の在庫をどこまで効率良く、消化することができるかを見極めるため」と説明する。在庫の適正化と、収益性の向上を目指す。
(樋口尚平)