『注目パーソン・インタビュー』デサントの直営店舗「D‐select」
~三井久・取締役セールス部門長に聞く~
update: 2011/12/23
デサントは現在、自社ブランドの発信基地として直営店「D‐select」を構える。ショッピングセンター内の「ららぽーと柏の葉店」、百貨店のインショップとして出店する「そごう川口店」「川崎さいか屋店」「甲府岡島店」の計4店を展開。同社のEコマース事業を担当する「流通開発部」が手掛ける店舗だ。自社ブランドの認知度向上と効率的な店舗運営のノウハウ確立が出店の主な目的で、1社で多ブランド展開するスポーツ系ショップとして百貨店からも期待が掛かっている。デサントの営業部隊を統括する三井久取締役セールス部門長兼東京オフィス長に「D‐select」の今後と同社の流通政策を聞いた。
主力は「マンシングウェア」
「D‐select」は「マンシングウェア」などゴルフウエアの5ブランド、「スポーツスタディオウィッテム」などフィットネスの4ブランド、トレーニングやアウトドア、水着などの4ブランド、計13ブランドで構成する。ブランド編集は客層を考慮し店舗ごとに異なるが、主力は「マンシングウェア」で全売り上げの34%を占める。また、ショッピングモールと百貨店では客層も変わってくる。売れ筋ブランドも各店舗で異なり、地域密着と多ブランド展開が成功しつつある。
全店舗の売り上げトップの「マンシングウェア」に続き人気のあるブランドがアウトドアの「マーモット」で22%。3番目には「ルコック」(スポルティフ・ゴルフ)が入る。4番手は「ウィッテム」の10%。「ららぽーと柏の葉店」では、「マンシングウェア」が33%でトップ。以下、「ルコック」(31%)、「デサント」などのアスレチック(21%)と続く。「川崎さいか屋店」では「マンシングウェア」が50%を占める。
「百貨店から見れば、多ブランド展開する当社のようなスポーツメーカーに売り場を任せることができるメリットがあります。またわれわれも複数ブランドをエンドユーザーに発信することができる。店舗運営の効率化と多ブランド展開が『D‐select』出店の目的です。しかし投資もかかりますから、条件が折り合わないとなかなか出店できません」
今のところ、2012年春夏シーズンで「D‐select」の店舗数が増える計画はない。単一ブランドの直営店舗は「マンシングウェア」「ルコックスポルティフ」「ルコックゴルフ」「アリーナ」などで展開中。「マンシングウェア」の店舗は目下、整理・統合中だ。大丸梅田店や同須磨店の「Studio-D」(「ウィッテム」「アリーナ」などで構成)は効率化の一環で編成した売り場のため、「D‐select」にはカウントしていない。同社の直営比率は単体で6-7%。「プロフィットセンターにはなっていない」(三井取締役)という。