『注目パーソン・インタビュー』デサントの直営店舗「D‐select」
~三井久・取締役セールス部門長に聞く~
update: 2011/12/23
「セールス部門」と「マーケティング部門」のコミュニケーションが重要に
昨年4月の組織改編で、デサントの商品企画部門が「マーケティング部門」に、営業部隊が「セールス部門」にそれぞれ集約・統合された。改編前はブランドごとに企画と営業の各部隊が所属していた。したがって、各ブランドで収集できていた店頭の情報がこの新体制では「セールス部門」が担うことになった。組織編成にこれといった正解はないが、企画と営業が別になった現体制では、「セールス部門とマーケティング部門との間のコミュニケーションが不可欠になっている」(三井取締役)。
「セールス部門になり、より得意先と深くつながるように考え方が変わってきました。以前は担当のブランドを売り込むことに主眼が置かれていましたが、今は店頭の当社のシェアを高めることを考えています」
マーケティング部門では「ヒートナビ」「サンスクリーン」といったブランド横断で共通した機能素材を活用するようになった。展示会ではブランドの壁を越えて、共通の商材を小売店などに提案するように変わってきた。
「仕入れもかつてのブランド別から変わっています。例えばトレーニング時のサポート機能がある『コウノエベルト』。『アリーナ』しか取り扱いのなかった小売店に入ったというケースもあります。既存の取引先に新しいブランドや商品を提案しています」
今後、国内市場はスポーツチェーン店、百貨店、専門店(卸含む)と直営店の4つのバランスを取りながら、シェアの拡大を目指す。
「既存のシェア拡大に加え、シューズやアクセサリーも強化のポイントです。シューズには色々な可能性があると思います」
略歴
三井久(みつい・ひさし)氏 1954年生まれ。77年デサント入社。99年カジュアルスポーツ営業本部チェルッティ・ウィッテム営業部長。02年第3事業部ウィメンズスポーツ営業部長。06年執行役員第1事業部ルコックスポルティフ営業部長。08年取締役第1部門第2事業部長兼ルコックマーケティング部長。10年取締役セールス部門長。11年6月から現職。