アシックス 取締役常務執行役員
2020東京オリンピック・パラリンピック室長
アシックスジャパン株式会社 代表取締役社長 土方 政雄 氏
update: 2014/04/03
2014年度は「静かなる変革を進める」
アシックスが2015年度を最終年度にする中期経営計画「アシックス・グロース・プラン(AGP)」。売り上げシェア拡大の対象として、シューズを中心に欧米各国など国外市場が大きなウエート占めている一方で、世界本社を擁する日本市場も重要な地域の1つだ。昨年から国内の事業を引き継いだアシックスジャパン(東京都江東区)がその活動の拠点になる。AGPの最終年度まで後2年に迫った今期(2015年3月期)から、アシックスジャパンの代表取締役社長に就任した土方政雄氏。国内売上拡大を目指してどのように取り組むのか、話を聞いた。
「東京マラソン」で感じたグローバル展開の相乗効果
過日、2月23日に開催された「東京マラソン2014」。昨年の大会から、マラソンのメジャー大会ともいえる「ワールドマラソンメジャーズ(WMM)」に加わったこともあり、今年は初めて優勝選手が2時間5分台のタイムを達成するなど、レベルも向上した。それに伴い、日本人が中心だった参加者にも変化が見られるようになってきた。
アシックスでは2012年シーズンから、グローバルで共通のブランドビジュアル(広告画像・映像)を使用している。世界のどこにおいても同じイメージで「アシックス」のブランド観を発信することが大きな目的だ。今年で3年目に入っているが、東京マラソンの現場レベルでも、こうしたグローバル規模の取り組みの成果が徐々に表れているようだ。
「当社がスポンサードしている東京マラソンも今年で8年目を迎えました。特に今回は、今まで少なかったブラジルなど世界各国から来日して同大会に参加してもらえる人が増えたと感じています。かねて当社が進めてきたグローバルのマーケティング戦略が徐々に効果を表してきたのではと思います。その点では、今回の東京マラソンはうまく行きました。世界水準の大会になったと思います。海外の顧客も増えているし、来年、再来年と本物のマラソン大会になっていくでしょう」
国内市場は増収基調にある。2013年度(2014年3月期)の第2四半期で、日本市場の売上高は450億9,500万円(103.9%)と堅調な推移だった。中でもスポーツシューズが262億100万円(105.9%)とけん引役になった。
「日本国内は海外同様、ランニングも主軸ですが、①アパレル②ライフスタイル③アスレチック(競技)を強化分野にしています。また、『オニツカタイガー』ブランドはグローバルでリードしています。中でも、我々が重点的に取り組んできたのはランニングを含めたアスレチック(競技)分野です。シューズ然り、アパレル然り、アスレ事業をしっかり押さえていかないといけない。ベースボール事業も重要ですが、現在は過去に落としていたシェアを取り戻しているだけですから、これからもっと伸ばしていかなくてはなりません」