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アシックス 加藤克巳・取締役執行役員
グローバルセールス・マーケティング統括部長
真のグローバル化は人材交流から

update: 2012/07/02

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加藤克巳取締役

加藤克巳取締役

昨年4月、アシックスの世界規模のセールス・マーケティング機能を強化する目的で設置された「グローバルセールス・マーケティング統括室」。2年目を迎えた今春、「統括部」に改称しさらに組織強化が進んでいる。同時に国内市場を見るアシックスジャパンの機能も強化され、国内外の営業の住み分けがより明確になった。海外の人材を積極起用し、組織からもグローバル化を進めている「グローバルセールス・マーケティング統括部」。その陣頭指揮を執るのは加藤克巳・取締役執行役員グローバルセールス・マーケティング統括部長だ。どれだけ現場のグローバル化が進んでいるのだろうか。

組織を世界市場に合わせる

連結売上高の約60%を欧米など海外市場で占めるアシックスにとって、セールス部門のグローバル化は必要不可欠な要素の1つだろう。各地域で独立した販売体制は構築できているが、世界本社である日本の組織との連動という点では改良する余地があった。

「グローバルでの競争力をつける上で色々な機構改革を進めています。日本では世界本社の機能とアシックスジャパンという販売会社の機能が混在していたため、世界最大の販売会社であるアシックスジャパンとしてのKPI(重要業績評価指標=業績管理評価のための重要な指標)をはっきりさせようとしたのが(昨年4月から始まった組織改編の)スタートラインです。住み分けを図るために世界の5拠点(東アジア、西アジア、欧州、米州、日本)で経営をしていく上で、世界連結のためにもジャパン社の位置付けを分離しようとしたのが主な目的です」

「昔から各地域のグループは現地化が進んでいます。欧州でも米州でもしっかりとしたマーケティングの組織が出来上がっているし、成果も挙げています。したがって本社で統制するのではなくて、より各販売会社と一体化してシナジー効果を上げることが目的。我々の仕事はあくまで“ドライブ”=推し進めることだと言っている。例えば欧州で良いキャンペーンが起案されれば採用します。時として統制が必要な時もあるが、それが本来の目的ではありません」

日本の「グローバルセールス・マーケティング統括部」には現在、日本人以外のスタッフとしてフランス人が2人、スウェーデン人が1人、香港人が1人、在籍している。日本語を話せるスタッフも話せないスタッフも混在する。

「日本の本社ではやはり圧倒的に日本で生まれ育った人材が多い。日本市場は大きいがグローバルではスタンダードな市場ではありません。私がヨーロッパの統括会社にいた頃(2004-2010年)、所在地がオランダだったため、当時はスタッフにオランダ人が圧倒的に多かった。しかしヨーロッパの統括会社であるなら、あらゆるヨーロッパの人材が必要になる。最初にマーケティングのディレクターに英国人を採用したほか、リテールのトップはスペイン人、営業のトップはフランス人、サプライチェーンやIT関連はチリ人と多国籍になりました」