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帝人フロンティア、取締役 衣料繊維 第一部門長 鈴木哲志 氏
「基本は高機能性素材を開発し続けること」

update: 2017/03/13

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帝人フロンティア、鈴木哲志取締役

帝人フロンティア、鈴木哲志取締役

帝人グループの繊維関連事業で、テキスタイルビジネスを中心に手掛けている帝人フロンティアの衣料繊維部門。スポーツやアパレル、ユニフォームなどのテキスタイル開発や製品部隊などを傘下に持つのが、第一部門だ。国内に加えて、海外ビジネスも順調に拡大してきた。今期の見通しや市況、今後の強化ポイントなどについて、同部門の陣頭指揮を執る鈴木哲志取締役に話を聞いた。

2016年度は微減収・増益の見通し

第一部門は事業の約60%がテキスタイル、製品ビジネスが約25%を占めている。中近東向けの輸出が少し苦戦傾向だったことや、円高に振れた為替の影響もあり、微減収で落ち着きそうな見通しだという。しかし、利益面では増益を達成できそうだ。

「2016年度の第一部門の業績は売上高が若干、下がり気味ですが、利益面は順調な推移で、微減収・増益の見通しです。円高の要素もあったが、海外向けはスポーツ関連を主体に健闘したほか、原料系──原糸販売も収益を上げられました。約25%を占める製品事業は、浮き沈みがあったがまずまずの推移。約60%を占めるテキスタイルは中国・南通などで扱っている海外向け──いわゆる“外→外”のビジネスが健闘しました。おしなべて海外勢が健闘したと思います。スポーツの製品事業やテキスタイルは安定しています。想定よりも全般的に健闘したのではないでしょうか」

主力は昨今、強化・拡大を図っている根幹素材の「デルタ®」。ニット、布帛、使用する素材の種類など、バリエーションが拡大してきた。また、海外市場では、「デルタ®」の認知度も徐々に高まってきていると感じている。

「成長エンジンは『デルタ®』などの素材分野で、うまくサプライチェーンに乗せられています。メーンはこの『デルタ®』で、大切にしていきたい。『カラット®』や『オクタ®』など、ほかの素材と組み合わせて使うことも増えています。海外でも、徐々に『デルタ®』の知名度は高まってきていると感じます。我々の中で『デルタ®』の(機能性の)基準値があり、現在ではニットから布帛にまでバリエーションが広がったが、品質基準に妥協しなかったことが拡販につながってのではないかと考えています」