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デサント 羽田仁 取締役 海外管掌 兼 海外事業統括部長
アジア、アセアン諸国の開拓に本腰

update: 2013/08/08

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取締役海外事業統括部長 羽田 仁 氏

取締役海外事業統括部長
羽田 仁 氏

デサントの新しい中期経営計画において、大きな成長エンジンになるのが海外市場だ。2012年度(2013年3月期)の実績で連結海外売上高は361億3,000万円(29.7%増、アジア345億円・欧米18億円)と順調に伸びている。今期(2014年3月期)は474億円(アジア456億円・欧米18億円)、中計最終年の2016年3月期には610億円(アジア580億円・欧米30億円)の計画を立てている。円安に振れている為替の影響もあるが、成長のカギを握るのはアジア市場だ。今後どのように市場を開拓していくのか。海外管掌兼海外事業統括部長の羽田仁取締役に話を聞いた。

香港を拠点にシンガポールへも拡大中

投資の効果が表れて、現在アジアで稼ぎ頭になっているデサントコリアをはじめ、デサントの海外売り上げのほとんどはアジア地域で上げている。今期は引き続き韓国市場からの売り上げが中心で、現在はアセアン諸国の市場開拓を進めている段階だ。

「韓国は利益を確保できるようになってきましたが、中国は一進一退。スポーツ店で展開している『アリーナ』の伸びが鈍化しているためです。まだまだ稼ぎ頭なのですが、動きが鈍くなってきました。中国国内のスポーツ店はどこも店頭の動きが鈍くなっていて、在庫が溜まり資金繰りが悪くなった小売店が増えました。フィットネス水着の需要はありますが、まだ一部のユーザーに限定されているのが現状です」

アジアの新規市場である東南アジアは、香港迪桑特貿易有限公司(香港デサント)を拠点にする。その子会社としてシンガポールデサントを設立し、マレーシアとインドネシアを管轄する。物理的に地域が広いため、香港のほかにもう1つ拠点を置くことがより効率的だと判断したようだ。

「今後、一番状況がいいのは、中国国内からの観光客が多く、売り上げが上がってきている香港だと思うので力を入れています。シンガポールデサントは香港デサントの子会社として設立しました。シンガポールは、ゴルフに関しては直営店――ゴルフ3ブランドのショップ『マンシングウェア』『ルコックゴルフ』『カルバン・クライン ゴルフ』を展開しているが、そこからインドネシアへのディストリビューション(代理店機能)を担おうと考えています。拡販は直営とディストリビューションとライセンシーの3つの形態で進めています。インドネシアでは現在、『アリーナ』だけの展開で『カルバン・クライン ゴルフ』を少し始めただけ。多ブランド展開を推進するためにもシンガポールへ進出しました」