2019年のスポーツ市場を俯瞰する
いよいよ始まる“ゴールデン・スポーツイヤーズ”
update: 2019/01/04
2019年の初頭に、今年のスポーツ市場の動向を俯瞰してみる。巷間、多くの人達が指摘していることだが、毎年立て続けに国際規模のスポーツ競技大会が日本で開催されるといういわゆる“ゴールデン・スポーツイヤーズ”がいよいよ始まる。各種メディアにおけるスポーツ関連ニュースの露出が増え、スポーツ業界の“熱量”も高まることは間違いないだろう。現時点で想定される動向や傾向について、まとめた。
新規ユーザーを開拓する千載一遇のチャンス
“ゴールデン・スポーツイヤーズ”とは、国際規模のスポーツ競技大会が日本で開催される2019年から2021年の期間を指す。2019年秋には「ラグビーワールドカップ」、2020年夏には「東京オリンピック・パラリンピック」、そして2021年春には「ワールドマスターズゲームズ2021関西」が開催される予定だ。世界的に見ても、これだけ大規模な国際大会が集中することは珍しい。世間のスポーツに対する興味、関心が高まる絶好の機会である。
スポーツの国際大会における日本人選手の活躍は、過去の事例を見るまでもなく、スポーツを振興させるという一定の効果がある。競技人口も一時的に増えるのだが、その収束するスピードも速いのが常である。これは過去から繰り返し指摘されてきたことだが、市場が温まっている段階で、どれだけのファンをリピーターへ変えられるか、という点が重要だ。
その意味で、“ゴールデン・スポーツイヤーズ”の到来は大きな意味を持つ。スポンサー契約に絡む版権──特にレプリカウエアなど、その経済効果が一部のスポーツ関連メーカーに限定される向きはあるが、おしなべてスポーツ市場に及ぼす影響はプラスになることはあれ、マイナスになることはないだろう。