2019年のスポーツ市場を俯瞰する
いよいよ始まる“ゴールデン・スポーツイヤーズ”
update: 2019/01/04
街着化するスポーツウエア──アウトドアからアスレにも波及
スポーツビジネスに目を向けると、競技関連は横ばい傾向が続いている。特に日本国内の市場は成熟し、かつ少子化が進んでいることもありパイの獲り合いになっている。したがってスポーツ各社は、新しい分野──ライフスタイルと呼ばれる市場の開拓に力を入れている。2018年も同様の傾向が強かったが、2019年も同じ様相が続くと考えられる。
アスレチックとレジャーを掛け合わせた造語、“アスレジャー”が話題になって久しいが、日本版アスレジャーはなかなか広がってこなかった。発祥の地・米国では、フィットネスウエアをそのまま街着として着用するスタイルだが、体形がはっきり出るボディーコンシャスは日本人にはあまり馴染まない。実際は、ゆったりしたヨガやリラクシングウエアが日本版アスレジャーとして認知され、そうした市場が徐々に拡大しているのが現状だろう。
スポーツ分野では、アウトドアが比較的ファッションやライフスタイルとの相性がいい。「ザ・ノース・フェイス」に代表されるアウトドアブランドは好調を持続している。一方、部活のイメージが強かったアスレチック系ウエアだが、ようやくタウンウエアの一分野として認知されつつあるようだ。その背景には、ファッションシーンにおける恒常的なスポーツテイストのトレンド、機能性素材の認知度アップ、スニーカーの定番化など、複数の要素が絡んでいると思われるが、“ゴールデン・スポーツイヤーズ”の到来でその流れがさらに加速される可能性がある。