スポーツ市場におけるウエアラブル需要の現状
update: 2016/01/26
昨今、ウエアラブル端末を内蔵したスポーツ商材が登場し、本格的な製品化と新規市場の開拓に注目が集まりつつある。技術開発はまだ始まったばかりで、精度の向上が必要な段階だが、大きな可能性を持った新しい分野であることは間違いない。一部のメーカーでは販売が始まっているほか、早期の市場投入を視野に入れたトライアルも盛んになってきた。
まだ少ない実用化の例
ウエアラブル端末は大きく分けて2つの傾向がある。1つは導電繊維を使ったアンダーウエア型のもので最近、増えてきた製品。もう1つはサングラスやシューズに装着するなどして身に付けるタイプのもので、いち早く実用化されてきた。シューズに付けて、身に付けたスマートフォンへ自身のランニングの記録を送信・記録する「ナイキ ランニング」は定番のサービスになっている。最近では、アプリケーションをダウンロードするだけで、記録できるようになった。
いわゆる“ICT”(情報通信技術)を活用したウエアラブル端末が大勢を占めている。「ブルートゥース」など無線ランで情報を送信するシステム自体は前から存在したそうだが、実用化するには技術革新が必要だった。計測したデータを処理・記憶することができる「スマートフォンの登場が大きかった」(東洋紡の開発担当者)という声もある。
国内スポーツメーカーでいち早くウエアラブル製品を発売したのはゴールドウインだ。2014年12月に、機能アンダーウエアブランド「C3fit」で、「C3fit IN‐pulse」(インパルス)の名前で市場投入した。導電繊維を使ったアンダーウエアで、計測した心拍数のデータをスマートフォンへ転送する機能がある。3月27日まで「東急スポーツオアシス もりのみやキューズモール フットサルパーク」(大阪市中央区)において、NTT西日本と東急スポーツオアシスと協業し、フットサルのプレーヤーに「C3fit IN‐pulse」の機能性を体験してもらうイベントを開催中だ。