ビッグジョン、2013年SS展
ブラッパーズは「to・wa永久美色」でカラーデニム提案、
ビッグジョンM3は3D加工でカラーデニム登場、ジェギングもバリエーション豊富に
update: 2012/11/05
「BRAPPERS」は前シーズンのマカロンカラーのバリエーションとして、新シリーズの「to・wa永久美色」を今季、打ち出した。同シリーズは、反応染料で染めたカラーデニムで、ユーズド加工を施したという点では世界初の提案となる。特徴は何と言っても、インディゴ染料にはない発色性に優れ、色あざやか、多彩な色が表現でき、糸の芯まで染まる反応染料はバッグや靴に移染する心配がないところ。しかも、通常のデニムウォッシュでは色落ちしにくいため、特殊加工することでデニム同様の色落ち感を実現している。
クラシックスボーイフレンドのシルエットでサックス、ライム、ミント、ピンク、オレンジ、シルバーの6色(1万5000円)、カラーシャツは4色(7900円)を揃えている。一方、同じく反応染料で染め、特殊ユーズド加工を施したデニム加工色も濃淡を打ち出し、クラシックスボーイフレンド4色(1万5000円)、クロップド5色(1万3000円)を揃えている。
他にも、2012年秋冬シーズンから提案してきたスエットデニムでは、ライトオンスで涼しいサマーカーヴィージーンズを打ち出す。リアルなユーズド加工とストレスフリーなスエットパンツのはき心地、ウエストイージー仕様というリラックス感を重視。とくに、ライトオンスのボーイフレンド(1万5000円)、細身のボーイフレンドクロップド(1万3000円)、ヒッコリーのボーイフレンド(1万5000円)、チノっぽいライトサテンのクロップド(1万3000円)などが注目。バリエーションとしてショートパンツ(1万1000円)、マキシスカート(1万3000円)、ライトオンスデニムのシャツ(1万290円)などもある。
ジャパンデニムと名付けたバリエーション提案では、シルエットとレングスを豊富にラインナップ。ボーイフレンドクロップド(1万3000円)とボーイフレンドショートパンツ(1万1000円)をJAPAN加工デニムと白デニムで提案し、定番売れ筋のレギュラーボーイフレンドでは加工の濃淡、ブリーチなどで新色を打ち出している。
「BIG JOHN M3」は、前シーズン、好評だった3D加工で新たなシリーズがデビュー。同加工は通常のウォッシュ加工では体感できなかった立体感を実現するもの、つまり、ウォッシュ加工で立体的に見えるヒゲやヒザ裏も洗ってしまうとスリ部分だけになって不自然さだけが残りがち。そんな問題点を解消し、はく人がより長くパンツの立体感やリアルなユーズド感を楽しめるのがこの加工方法で、同社では“SOLID WASH”と呼んでいる。生地、パターン、加工の全ての工程で製品状態の立体感を追求しており、特殊な形態安定加工するというもの。
今季の新作として、明るい色目のカラーデニムが登場。グリーンブルー、赤、ベージュ、ブラックのストレッチデニム(1万6000円、ブラックのみ1万7000円)をスキニーで提案している。また、ブルーデニムでは、よりビンテージ加工をより長く楽しめるストレッチデニムの新色としてアイスウォッシュ(1万7000円)を、継続色としてワンウォッシュ(1万5000円)、濃色デニム(1万7000円)をそれぞれスキニーとテーパードで提案。スキニーはかなり細めだが、ヤング層を中心に売れているという。他にも、同加工を施したデニムジャケット(2万4000円)をブルーの濃色とアイスウォッシュ、ブラックの3色展開、9分丈のテーパードをオーガニックデニムとホワイトデニム(共に9524円)で提案している。
また、M3に新たに加わった男性版ジェギングの“Nude Leg”では、スーパーストレッチツイルを使用したグリーン、オレンジ、イエローの明るい色目を加え、ブラック、バーガンディー、ネイビー(8000円)を揃え、はき心地の良いストレッチコーズでもワイン、キャメル、ブラック、オリーブ(1万円)など多色展開している。
「WORLD WORKERS」は、大人のリゾートカジュアルスタイルを提案する。アルプスに近い湖畔のあるリゾート地、アヌシーがイメージの源泉。画家セザンヌが「あまりにも絵画的」と言ったほど、色にあふれた街、そこでひと時の休息を楽しむ情況をテーマに選んでいる。
好評なのは、ライトオンスのニット風デニムを使用した中濃色、淡色の9分丈パンツ(1万6000円)と、同素材のショートパンツでワンウォッシュ、淡色、レーザーによる迷彩柄の3色展開(1万2000円、1万4000円)。
主力のショップコートでは今季、綿麻インディゴウェザーのステンカラー(1万9000円)と、2枚のウェザー生地を貼り合わせて撥水性と防風性を兼ね備えた素材をブルー、ベージュ、ペールの3色(1万9000円)を提案している。
WORLD WORKERSのテイストを継承しつつ、“Work Wear for Street”をコンセプトに、ワークスタイルの要素を今の時代性で表現する「W.W.S by WORLD WORKERS」は今季、鮮やかなカラーパレットを使用したアイテムが揃う。メインとなるのはここでも綿麻素材のカラーワークショーツ(ブルー、サックス、イエロー、キャメルノ4色、5900円)や、リネンチノクロスのブルーとイエローのカバーオール(9000円)、ライトオンスのカラーワークパンツ(ネイビー、サックス、キャメルノ3色、7900円)など、夏のビーチやアウトドアにマッチするアイテムを展開している。
“サーフ”、“マリン”、“ビーチ”をテーマに、パンツアイテムを提案する「BigJohn.Calif」は、定番のショートパンツ(ひざ下丈/股下30センチ、6500円)が売れ筋で、新しくひざ上丈(スタンダードショートパンツ/股下20センチ、6500円、サンディズショート/股下18センチ、6500円)と、ひざ丈(ストリートパンツ/股下50センチ、8000円、9000円)が加わった。
オリジナルファブリックは4つ。ドビー織の一種、立体感の出るバニラン素材ではタイダイのボーダープリント、より濃色なボーダーを織で表現したマリンボーダーは織ならではの滑らかなはき心地、ウェザー用にチェッカーフラッグプリント、カラフルで楽しい柄表現が特徴的なニューカラー。他にも、オックスフォードチェックやアロハ柄、グラデーションカモフラ柄、バンダナプリントなど多彩。
また、今季のみの取り組みとして、覆面画家のロッキン・ジェリービーン氏によるオリジナルのアロハプリントとワッペン図柄、ロゴを描き下ろし、気分もアップするポップな柄のシャツとパンツを提案。ワークシャツ(8000円)、アロハシャツ(1万2000円)、アロハショート(7500円)、ストリートパンツ(9000円)など。
“あたりまえのものを、あたりまえに”をブランドコンセプトに、ベーシックながら日本ならではの生産技術から丁寧なものづくりを提案する「DENIM CRAFT」の今季は、インディゴのネイビーに、ホワイトカラーやボーダーを加えてマリン感を演出。同ブランドでも、インディゴボーダーのワークハーフパンツ(6500円)は織で表現し、セットアップできる同素材のシャツ(8500円)も揃う。また、セットアップではインディゴチェックもシャツ(8500円)とハーフパンツ(6500円)があり、インディゴヒッコリーはワンウォッシュでユーズド感のあるベスト(8900円)とハーフパンツ(6500円)など。
新作のジーンズは5ポケットタイトストレート(1万円)、ワタリにややゆとりがあり、後ろ股上を少し深めになっており、ローダウン気味にはいて決まるシルエットだという。素材は、クラボウの12オンスセルヴィッチ。白耳、タテ糸にムラ糸を使用し、はきこむほどにビンテージ特有のアタリが出てくるなど、こだわりの詰まった仕上がりになっている。
(有限会社ビジョンクエスト・田中千賀子)