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『店頭レポート』
「ザ・ノース・フェイス」原宿地区

update: 2011/07/11

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ザ・ノース・フェイス原宿店。内装はすべて天然木

ザ・ノース・フェイス原宿店。内装はすべて天然木

ゴールドウインのアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」(TNF)。直営店やショップインショップ、卸など様々な売り場を展開する同社の看板ブランドだ。立地特性や対象顧客に合わせ、異なる切り口で店舗の構えや内装、商品構成などを構築する。その柔軟性が、スポーツブランドの中でも数少ないSPA(製造小売り)型業態を成り立たせている秘訣のようである。その実例を端的に見られる場所がある。東京・原宿だ。この地区には「TNF」の直営店舗が実に4店も集積している。実地に各店舗の違いを検証してみた。

始まりはレギュラー店舗

東京・原宿には明治通りに面して3店の直営路面店舗がある。始まりは「THE NORTH FACE 原宿店」(東京都渋谷区神宮前6丁目)。ワンフロアで構成し、昨年10月1日に全面改装、天井から床面まで全面、天然木の店舗に生まれ変わった。品揃えは基本的にメンズ商材で構成する。

効率を考えるとつい多くのものを並べてしまいがちだが、陳列量はリニューアル前に比べて少なくなった。商材を効果的に見せる狙いがあると見られる。空間の使い方は贅沢な店舗である。向こう10年間はリニューアルしない、という意気込みでいるそうだ。現在の同ブランドのイメージを真正面から表現した店舗と言えるだろう。

「カジュアル」をコンセプトにした「スタンダード」

ザ・ノース・フェイス スタンダード。カジュアルを意識

ザ・ノース・フェイス スタンダード。カジュアルを意識

ザ・ノース・フェイス スタンダード。カジュアルを意識

レギュラー店の隣に昨年4月オープンしたのが「THE NORTH FACE STANDARD」(スタンダード)。同ブランドでは最もカジュアルテイストで、原宿の地に適した店舗だという。タウンユースなど比較的便利に着られるものや、今までにあまり展開したことのないような商材を揃えている。什器は木と金属を組み合わせるなど、既存店舗とは雰囲気が異なっている。

フロアは4層。1フロア当たりがやや狭いので、4フロアでもそれほど大きな面積にはならない。コンクリートの地肌が見える床や階段など、高感度ファッションブランド的な内装と似た印象を与える。

対象顧客は10-30代後半までだが、実際の来店客層は20代半ばから50代前後の人までと幅広い。シャツを仕事用に買い求める顧客もいるという。ファッションに興味があり、自身のスタイルを確立したおしゃれな客層が多い。アウトドアをタウンで着るスタイルの人が主流だ。

奇をてらったアイテムは少なく、色も地味な系統が多い。「スタンダード」の限定品は少ないが、“編集の妙”で異なる切り口を見せている。店舗はこのほか、京都・藤井大丸にインショップがある。同店だけのタグ「STANDARD of LIVING PACKAGE」を使っている。