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株式会社デサント 代表取締役社長 中西悦朗氏
「グローバルなマインドが強くなってきた」
次期3カ年計画、キーワードは“世界”

update: 2012/12/17

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株式会社デサント 代表取締役社長 中西 悦朗 氏

株式会社デサント
代表取締役社長
中西 悦朗 氏

国内のアスレチック(競技)事業やアジア地域の売り上げが堅調で、2012年度の第2四半期決算では増収増益を達成したデサント。今期(2013年3月期)を最終年度にする中期3カ年計画「Compass 2010」(コンパス 2010)の目標数値も、通期で上回る見通しだ。来期を初年度とする新しい中期計画を策定中の同社。その核は、海外市場の拡販と社名ブランド「デサント」の強化である。節目を迎える来年へ向けてどのような成長戦略を描くのか、中西悦朗代表取締役社長に話を聞いた。

業績を後押しするアジアビジネス

ここ数年のスポーツ市場は、経済危機や円高、震災、デフレーションなどの影響で決して恵まれた商環境ではない。ランニングやアウトドアなど一部の種目は元気だが、ゴルフやベースボールなどは漸減が続いている。適材適所で資源を投下する必要性がますます高まっている。デサントも、苦戦する市場であるゴルフウエアのブランドを数多く展開するが、主力の「マンシングウェア」が回復していないこともあり足踏み状態が続いている。しかし国内のアスレチック事業やアジアの売り上げが堅調で、全社レベルで見れば堅調な推移だ。

通期見通しも修正を加えず、連結ベースで売上高900億円、営業利益・経常利益53億円、純利益35億円の計画を立てている。ちなみに「Compass 2010」で掲げた数値目標は売上高880億円、営業利益・経常利益50億円、純利益30億円。すべての数値で計画を上回る。国内のアスレチックも堅調だが、中でも業績を後押ししたのは、韓国を中心としたアジア市場。国内以上にアジア地域の売り上げが伸びている。中期計画の目標数値を順調にクリアしてきた原動力でもある。

「海外の活躍が(堅調な売り上げの)一番大きな要因です。中でもデサントコリア(韓国)の成長が大きい。特に『デサント』ブランドにおいて、韓国人スタッフによる現地企画が、非常にファッション感覚が高いという理由で若い人から評価を受けています。現地では、『ナイキ』『アディダス』『ニューバランス』に次ぐ4番目のブランドに成長しました。日本と韓国のスタッフが一緒になって、日本でやってきた販売方法や販促の仕方を基に考えながら、売り上げを伸ばしてきたことが大きい」

「グローバルブランドになろうという意識が強くなっています。韓国市場は『売り上げが急に伸びた』とよく言われますが、ここに至るまでには、日本人スタッフが現地に赴いて話し合いを重ね、資金援助もしてきた積み重ねがある。目に見えない努力やサポートが実を結んできたと考えています。韓国は急成長しましたが、その前段階は非常に慎重にやってきました。ここへ来て爆発しているが、それは下地があった上での増収だと見て欲しい。実力が付いてきたので今後はもっと投資していこうと考えています。来年5月には8000坪の土地に自前の物流センターの第一期棟が完成する予定です」