TOP > 注目パーソン インタビュー > 株式会社デサント 代表取締役社長 中西...

株式会社デサント 代表取締役社長 中西悦朗氏
「グローバルなマインドが強くなってきた」
次期3カ年計画、キーワードは“世界”

update: 2012/12/17

< 前のページへ1ページ2ページ3ページ次のページへ >

欧米開拓は北米を拠点に

13年シーズンからアジアで本格展開する「イノヴェイト」

13年シーズンからアジアで本格展開する「イノヴェイト」

デサントコリアは当期の第2四半期決算で売上高141億円(41.1%増)。通期では296億円(33.8%増)を計画している。一方、中国市場では、上海迪桑特(デサント)商業有限公司の「マンシングウェア」が苦戦しているが、「アリーナ」などほかのブランドでカバーしている形。上海デサントの第2四半期売上高は10億2900万円(11.5%減)。通期では22億9900万円(11.0%増)を計画する。寧波ルコック服飾有限公司の売上高は第2四半期決算で10億8300万円(11.0%増)。通期では28億5900万円(40.1%増)の目標だ(いずれも日本円ベース。1韓国ウォン=0.077円、1人民元=13.371円で換算)。

「中国の寧波ルコック服飾有限公司も着実に売り上げが伸びています。こちらも日本と一緒になって体制を整えてきました。韓国の成功事例を中国やほかのアジア地域に生かすことを考えています。新規出店の際に、日本企画や韓国企画を一緒に販売するなど、選択肢は増えました。香港、シンガポールのビジネス拡大はこれからですが、時間はそれほど掛からないと思います。新規ブランドを投入する来春から、本格的に動き出します」

アジアは堅調だが、まだ十分に開拓できていないのが欧米市場である。スキーでは一定の認知度、シェアを獲得しているが、アスレチック分野の開拓はこれからだ。

「スキーウエアしか販売していなかったので、今後はアウトドア・マウンテン関連商材をどこまで売っていくかが1つの焦点です。また、13年春夏からサイクリング(自転車)市場へ本格参入します。まずは、デサントノースアメリカ INC.(カナダ)を核にして、『デサント』ブランドのスキー以外の分野――マウンテンとサイクリングをスタートし、その後は欧州にも広げていく。『デサント』ブランドのランニングを米国で売るということも視野に入れています」

新中期計画は「デサント」ブランドの強化が核

来春をめどに、来期(2014年3月期)を初年度とするデサントの新しい中期経営計画が策定・発表される。核になるのは、グローバルに成長するデサント。世界市場における拡販がキーワードだ。

「グローバルに展開しようと思ったら、日本の本社がしっかりしないといけません。日本市場において、『デサント』ブランドはこういう商品群を展開しているということをもっとアピールしないといけない。商品企画や売り方をもっとしっかり確立しなければなりません。グローバル化では、『デサント』ブランドをどうやって大きくしていくかが核になります。アジアでは、(販売権を持つ)『マンシングウェア』や『ルコックスポルティフ』『アリーナ』などをもっと拡販するにはどうすればいいか、各国に合った物作りやアジア全域に通用する販促も考えないといけない。(複数のブランドで)アジア全体を盛り上げる、『デサント』自体は世界をもっと盛り上げていく、そういうことを核にした3カ年計画になると思います」

「アジア全域を開拓するための、機能アンダー『スキンズ』やシューズ『イノヴェイト』、コンプレッションアンダー『ジェノーム』など、戦える武器は揃ってきました。やるべきこと、目標は明白です。すべて即戦力(のブランド)なので、大いに期待してもらっていい」