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『注目パーソン・インタビュー』
デサント、田中嘉一・取締役マーケティング部門長

update: 2011/06/20

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組織改編から1年、徐々に進むブランド再構築

田中嘉一取締役マーケティング部門長

田中嘉一取締役マーケティング部門長

スキーウエアの「デサント」やゴルフウエアの「マンシングウェア」など、スポーツアパレルを強みにするデサント。昨年春に実施された組織改編により、それまで3事業部に分かれていた約20の展開ブランドを一括管理する「マーケティング部門」を創設した。全社レベルでブランドポートフォリオを見直し、ブランドの適正配置、リブランディングを進めることが目的の1つだった。1年を経て今年4月から2年目に突入した。1年目の総括と2年目の取り組みについて、マーケティング部門長を務める取締役、田中嘉一氏に聞いた。

デサントの2011年3月期(連結)は震災など難しい商環境の中、微減収増益(売上高757億円、経常利益39億3000万円)と健闘した。アジアを中心に海外ビジネスが好調だったこともあり、利益を確保することができた。国内は震災の影響が大きく、アスレチックとゴルフが苦戦した。この2010年度は新しい中期経営計画「Compass 2010」の初年度に当たり、3年後の13年3月期(連結)に売上高880億円、経常利益50億円、当期純利益30億円を計画する。厳しい面もあったが、成長の手ごたえをつかんだ1年目だったようだ。

「国内の売上額は下がりました。未達分野もありましたが、(効率面など)内容は良くなりました。海外は2ケタ増でしたが、為替の差損などもあり連結ベースでは目減りしました。利益ベースでは計画を達成しました」

アジア戦略ブランド「カルバン・クライン ゴルフ」

田中嘉一取締役マーケティング部門長

田中嘉一取締役マーケティング部門長

マーケティング部門におけるブランドポートフォリオの見直しは1年目から実行に移された。デサントが3カ年計画で謳っている強化分野は「アスレチック」「ゴルフ」「アウトドア」の3つだが、まずゴルフの分野で実施された。採算性が悪かったゴルフウエアブランド「ミラ・ショーン・スポーツ」の撤退だ。それまでは百貨店ゴルフウエアでラグジュアリーゾーンへ向けて「ミラ・ショーン・スポーツ」と「ランバン スポール」を展開していたがこれを「ランバン」の1ブランドへ集約し、効率化を図った。一方で、「カルバン・クライン ゴルフ」の新規導入を決定。未開拓ゾーンの顧客創出に着手した。11年秋冬にプレデビューし、12年春夏から本格展開する予定だったが、すでに今秋からの展開店舗数は国内の百貨店で20カ所のほか、スポーツチェーン店でも販売が計画されている。

「当社のゴルフウエアには、ヤングアダルト狙いの上質なブランドがありませんでした。『カルバン・クライン ゴルフ』はその穴を埋める目的で、日本のみならずアジアの戦略ブランドに位置付けています。中国や韓国、香港でも高いブランド力がある。海外を含め、当初計画の倍くらいの出店オファーが来ました。ローンチが重要なので、出店数を限定して展開することにしました。都心を中心に販売をスタートする予定です」