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ミズノ 取締役研究開発本部長 樋口良司氏
“快適にプレーできる”機能性を追求

update: 2012/07/30

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ミズノ、樋口良司取締役

ミズノ、樋口良司取締役

長らく、ミズノの心臓部ともいえる開発現場を歩んできた樋口良司・取締役研究開発本部長は研究開発本部と品質保証部と生産工場の一部を担当する。主に生産子会社のミズノテクニクス株式会社(当時の養老工場。2002年に分社化)で新素材に携わり、2007年6月から5年間は同社の社長も務めた。今年6月に開催された株主総会で正式に取締役へ就任した。ミズノの競合他社との差別化ポイントはやはり独自の技術力だろう。開発力という長所を生かし、どうやって製品の可能性を強化・拡大していくのか。

時代と共に変遷する主力素材

スポーツ用品に使われる主力素材は時代の変遷と共にさまざまなものへ移行してきた。例えばゴルフクラブは木(パーシモン)から金属、カーボンへ、スポーツシューズは布から合成繊維やFRP(繊維強化プラスチック)と呼ばれる新しい素材へ変化していった。

「養老の工場に配属された若かりし頃は、ちょうど木からFRP、金属に替わる移行期でした。40歳を過ぎるまで、カーボン繊維を触ってきた感があります。当時は技術開発本部と研究開発本部があり、研究開発本部の分室が養老にあった。まず、カーボン素材をテニスラケットに使おうとしました。またゴルフのシャフトもどんどんカーボン化されていた時期だったので、その開発にも携わっていました」

「その後、生産地を台湾や中国へ移管していったので、そちらへの技術指導にも通っていました。02年に養老工場が分社化されてミズノテクニクスになった後、07年から5年間、その社長を務めました」

担当分野は生産現場。野球グラブの波賀工場など一部増えたところもあるが、基本は大きく変わっていない。

「担当はものづくりに関わるところ。研究開発本部と品質保証部と、生産子会社のミズノテクニクス、シューズ関係のミズノランバード株式会社、野球グラブを生産している波賀工場(株式会社ミズノインダストリー波賀)が担当分野です」