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アシックス、2023年12月期 連結決算──過去最高の収益を達成

update: 2024/02/13

アシックスの2023年12月期は過去最高収益を達成。 会見に臨む廣田康人 代表取締役会長CEO(右)と 富永満之 社長COO

アシックスの2023年12月期は過去最高収益を達成。
会見に臨む廣田康人 代表取締役会長CEO(右)と
富永満之 社長COO

アシックスの2023年12月期連結決算は、主力の「パフォーマンスランニング」をはじめ「スポーツスタイル」「オニツカタイガー」などが貢献し、過去最高の収益を達成した。前年度に続き、2年連続で最高収益を更新した。地域別では、日本を含むアジア地域の伸びが大きかった。

パフォーマンスランニング、アジア地域が健闘

アシックス、2023年12月期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2023年12月期
財務数値一覧(表1)

連結の売上高は5,704億6,300万円(17.7%増)と2ケタの増収。為替の影響を除いても、11.3%増と2ケタの伸びだった。商品では、主力の「パフォーマンスランニング」や「スポーツスタイル」「オニツカタイガー」が健闘したほか、日本を含むアジア地域が好調だった。

売上総利益率(粗利率)は52.0%(2.3ポイント増)と改善。販管費率のコントロールもうまく行き、営業利益が542億1,500万円(59.4%増)と大きく成長した。特に日本、中華圏、東南・南アジアの増益額が大きかった。経常利益は506億7,000万円(63.9%増)、当期純利益も352億7,200万円(77.45増)で増益を達成した(表1を参照)。

アシックス、2023年12月期 カテゴリー別・地域別売上高(表2)

アシックス、2023年12月期
カテゴリー別・地域別売上高(表2)


商品カテゴリー別の売上高は、主力の「パフォーマンスランニング」が2,859億円(10.7%増)と2ケタの増収となった。主力地域の欧米市場は堅調だったほか、中華圏や東南・南アジアが健闘した。「スポーツスタイル」は592億円(36.3%増)で、欧州が46.3%増とけん引役になった。「オニツカタイガー」は603億円(40.2%増)。インバウンドの後押しもあり「日本」が110.0%増と好調に推移した。「アパレル・エクィップメント」がカテゴリー利益10億円を計上し、黒字化を果たした(表2を参照)。

決算会見に臨んだ廣田康人 代表取締役会長CEOは決算の結果を受けて、「完全に成長軌道に乗った。世界で戦っていく礎が出来たと思う」と手応えを語った。今期(2024年12月期)も増収増益を計画している。引き続き、「パフォーマンスランニング」がけん引役になりそうだ。通期の業績見通しは、連結売上高5,900億円(3.4%増)、営業利益580億円(7.0%増)、経常利益530億円(4.6%増)。