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米国スポーツ系小売店上場2社、2023年1月期決算まとめ──両社共に減収減益の傾向

update: 2023/04/24

米国スポーツ系小売店上場2社、 2023年1月期まとめ(表1)

米国スポーツ系小売店上場2社、
2023年1月期まとめ(表1)

米国スポーツ系小売店の上場2社(フットロッカー、ディックススポーティンググッズ)の2023年1月期連結決算をまとめた。両社共に減収減益の傾向となった。マークダウンなど経費の増加が足を引っ張った。

マークダウンや販管費の増加が足を引っ張る

対象にしたのはFoot Locker,Inc.(フットロッカー社)、DICK’S Sporting Goods,Inc.(ディックススポーティンググッズ社)の2社。いずれも2023年1月期連結決算である。フットロッカー社は減収減益、ディックススポーティンググッズ社は微増収減益の結果だった。

米国スポーツ系小売店上場2社、 2023年1月期 セグメント別売上収益(表2)

米国スポーツ系小売店上場2社、
2023年1月期 セグメント別売上収益(表2)

フットロッカー社の連結売上収益は、87億4,700万米ドル(約1兆1,371億1,000万円、1米ドル=130円で換算)、2.4%減の微減収に至った。アスレチック系業態「Champs Sports」や、主力の北米地域の売り上げが低迷した。値引き販売が増えたことにより、売上総利益率(粗利率)が31.9%(2.5ポイント減)と低下。販管費率の増加も足を引っ張り、営業利益は5億8,100万米ドル(約755億3,000万円、同)、33.2%減となった。

地域別では、主力の「North America」(北米)が売上収益64億2,300万米ドル(約8,349億9,000万円、同)、6.8%減と苦戦。「EMEA」(欧州、中東、アフリカ)は17億2,200万米ドル(約2,238億6,000万円、同)、4.9%増と堅調だった。日本を含む「Asia Pacific」(アジア、太平洋)も6億200万米ドル(約782億6,000万円、同)、42.7%増と好調だった。

業態別では、主力の「Foot Locker」(フットロッカー)が売上収益33億400万米ドル(約4,295億2,000万円、同)、0.3%増とほぼ前年並みだった。旧テクストトレーディングカンパニー(現フットロッカーアトモスジャパン)が運営する「atmos」(アトモス)業態は、同1億8,800万米ドル(約244億4,000万円、同)、283.7%増(第4四半期は4.1%増)となった。

ディックススポーティンググッズの連結売上収益は123億6,800万米ドル(約1兆6,078億4,000万円、同)、0.6%増とほぼ前年並みだが、過去最高額を更新した。粗利率は34.6%(3.7ポイント減)と大きく落ち込んだほか、販管費率が増えたこともあり、営業利益は14億6,300万米ドル(約1,901億9,000万円、同)、28.1%減の減益となった。

商品別では、主力の「Hardlines」(スポーツ用品類)が売上収益49億5,200万米ドル(約6,437億6,000万円、同)、8.4%減と苦戦。「Apparel」(アパレル)は42億1,800万米ドル(約5,483億4,000万円、同)、2.1%増。「Footwear」(フットウエア)が29億7,900万米ドル(約3,872億7,000万円、同)、16.3%増と好調に推移した。