ゴルフウエアブランド「スリクソン」
ダンロップスポーツがデサントにライセンス供与
2016年春夏シーズンからスタート
update: 2015/06/17
去る4月2日、ダンロップスポーツが手掛けるゴルフウエアブランド「スリクソン」のライセンスをデサントに供与し、2016年春夏シーズンから新しい体制で販売をスタートする旨が発表された。それを受けて、6月上旬に開催されたデサントの16年春夏ゴルフウエア展示会で初めて、新生「スリクソン」がお披露目された。両社の狙いは何か、関係者への取材を基に経緯をまとめた。
アパレル・用品の強化が目的
ダンロップスポーツの「スリクソン」は、シリアスゴルファーを対象にしたゴルフ用品ブランドだ。海外ツアーで活躍している松山英樹プロが使用していることもあり、ゴルフファンには良く知られたブランドである。ちなみに松山プロが着用しているウエアも「スリクソン」である。一方、テニスでも同様に、シリアスプレーヤー向けに「スリクソン」ブランドのラケットやウエアなどを展開している。
ゴルフウエアとしての「スリクソン」ブランドはおよそ10年前から、繊維商社であるモリリンのスポーツアパレル部がライセンス供与を受けて、企画・生産していた。同時にこれもゴルフ用具ブランドの「ゼクシオ」や「クリーブランドゴルフ」のウエアも順次、ライセンス展開してきた。販路は用具と同じゴルフ専門店やゴルフ量販店が中心。競技志向のゴルファーが主要顧客で、機能性素材を使ったシリアス向けのウエアがメーンだった。
この動きと並行して、数年前から、ダンロップスポーツとデサントのライセンス契約がスタートする。テニスブランドの「バボラ」が対象で、ダンロップスポーツではラケットにおける主力ブランドの1つである。デサントの高機能ウエアのノウハウを活かし、「バボラ」ブランドのテニスウエアをライセンス生産し、ダンロップスポーツの販路――テニス専門店へ向けて販売しようという試みだった。
この「バボラ」ブランドにおける取り組みがきっかけとなり、その後、ほかのテニスブランド「スリクソン」「ダンロップ」でもODM(相手先ブランド企画・生産)契約を結ぶことになった。商品企画もデサントに任せるODM契約だから、より2社の関係が深くなったと考えられる。今回のゴルフウエアにおける「スリクソン」のライセンス契約は、こうした背景によるものだ。専門性を重視したアウトソーシング、“餅は餅屋”を地で行く典型例だろう。