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ルメール騎手プロデュースの「CL by C.ルメール」ブランド──“ストリートジョッキー”をキーワードに新しいスポーツウエアの確立を目指す

update: 2023/05/19

競馬を切り口にした「CL by C.ルメール」。 写真はルメール騎手の“勝負服”のデザインを採り入れたシャツ

競馬を切り口にした「CL by C.ルメール」。
写真はルメール騎手の“勝負服”のデザインを採り入れたシャツ

株式会社CL by C.ルメール(京都市)が手掛ける“競馬”を切り口にした初のアパレルブランド「CL by C.ルメール」。日本で活躍するジョッキー、クリストフ・ルメール騎手が素材やデザインなどの商品企画に関わっており、従来は例がなかった競馬や騎手の要素を採り入れている点が特徴だ。新しい切り口のスポーツウエアとして、新規市場の開拓を目指している。

競馬ファンを主体に拡大中、新たな顧客開拓も視野に

ファンにブランドの世界観を体験してもらう目的で ポップアップショップを出店

ファンにブランドの世界観を体験してもらう目的で
ポップアップショップを出店

同ブランドはクリストフ・ルメール騎手が共同設立者の1人として参画し、2022年2月に京都で立ち上げられた。製品の企画、生産、販売などは(株)CL by C.ルメールが担っている。コンセプトは「日本、競馬、ファン」。“勝負服”と呼ばれる騎乗時に着用するウエアのデザインや、騎手が穿くパンツのデザインを採用した製品など、競馬を切り口にした点が最大の特徴だ。

スポーツウエアから街着やカジュアルウエアに派生した事例はゴルフやテニス、アスレチック=競技ウエアなどいくつかあるが、競馬をモチーフしたのは初めてだという。立ち上げのきっかけは、ルメール騎手自身が「競馬に関するアパレルなどのアイテムがなかったこと」「応援してくれるファンに喜んでもらいたい」と考えたことだった。

展開アイテムはアパレルを主体にキャップなど雑貨類も企画。京都の地場のアパレル関連工場を中心に生産しており、製品は全て日本製だ。1品番当たり、ルメール騎手の過去の勝利数などにちなんだ枚数を限定生産するというスタイルを採る。小ロット・多品種で、売り切れても基本的に追加生産は行わない。

ブランドの顧客層はやはりルメール騎手を中心とした競馬ファンがメーン。男性に加えて、女性ファンも多いという。販路はECのほか、全国にポップアップショップも出店し、オンラインとオフラインとの連携を強化する。(株)CL by C.ルメールの平岡千菜美 代表取締役は「ポップアップは現場で実際に製品を手に取りその世界観を体験してもらう目的がある。コミュニティーを巻き込んだブランドに位置付けている」とその展開方法を説明する。

製品は全て日本製。 京都を中心とした地場工場で生産している

製品は全て日本製。
京都を中心とした地場工場で生産している

上代は、勝負服のデザインを落とし込んだ半袖ポロシャツが1万8,000円、ジョッキーパンツに着想を得たボトムスが2万4,000円(本体価格)など。スポーツウエアとして見ればやや高価な設定だが、「良いものを作ろうと考えた」(平岡 代表取締役)。

今後は常設のショールームなどを造る計画もある。売上規模は短期間で伸ばさず、地道に収益力の向上とファン層の開拓に力を入れる。ジャケットなどアイテム展開の拡大も考えており、行く行くはスポーツカジュアルのような「ファッションの切り口で、一般のエンドユーザーにも広げていきたい」(同)と考えている。