ゴルフウエアブランド「スリクソン」
ダンロップスポーツがデサントにライセンス供与
2016年春夏シーズンからスタート
update: 2015/06/17
商材で販路住み分け
ダンロップスポーツマーケティング ゴルフ事業部の山元健 ゴルフ企画第二部 部長は、「スリクソン」のウエア展開について、「『スリクソン』の用具がようやく浸透してきたこのタイミングで、アパレルや用品も強化していこうと考えた」と今回の経緯に至った背景を語る。「モリリンさんとは10年来のお付き合いがあったが、新しい取り組みを始めたいと考えていた」。前述の通り、すでに「バボラ」ブランドで実績があったため、「ゴルフウエアにも強いデサントさんにお願いすることになった。最も売り上げのボリュームがある『スリクソン』から取り組もうということになった」(山元 部長)。デザインはアスリートゴルファーを意識した。既存の「ゼクシオ」「クリーブランドゴルフ」のゴルフウエアは15年秋冬シーズンを最後に一旦、休止する。
デサントのゴルフウエアを担当する武市一 デサントゴルフGBMマネージャーは、「当社の(アスレ系ゴルフウエアブランドである)『ルコックゴルフ』とは、『スリクソン』のカテゴリーが異なる。極力、バッティングしないよう考えた」と語る。デサントは新規チャネルを開拓する姿勢で、「新しくフェイス(店頭の売り場)を取りに行く。新規ブランドに対する小売店の期待がある」(武市 マネージャー)という。初シーズンの2016年春夏シーズンでは、新たに展開する店舗数は「300店のイメージ」(武市 マネージャー)だと語っている。
初シーズンはメンズのみの展開。よりプレー志向の「ツアーライン」が10型、ボリューム向けの「シーズンライン」が30型の計40型を展開する。ODMのベルトも4型を企画した。6月の展示会でお披露目された「スリクソン」ウエアは、「ツアーライン」では、ブランド名の1文字「X」をモチーフにした昇華プリントものが代表的なアイテムだ。春・夏1・夏2の3シーズンで春夏を構成する。
両社が扱う商材は細かく分けている。基本は既存チャネルになるが、OEM(相手先ブランド生産)のアパレルはデサントが新規販路も視野に拡販を図る。レインウエアやキャップ類などのアクセサリーはODM品で、こちらはダンロップスポーツの販路でも展開する。
懸念材料としては、「アパレルのみ展開していた小売店があること」(ダンロップスポーツ、山元 部長)。企画がデサントに替わり、引き続き取引を継続できるかどうかという心配があるという。またその半面、用具系の小売店と取引できるかどうかという課題もある。これはライセンスブランドの移行時期には普通に見受けられることだが、「顧客には迷惑をかけるが、アクセサリーなどは引き続き展開していきたい」(山元 部長)と語り、影響を最小限にとどめる構えだ。
デサントが強みにする百貨店チャネルや、海外展開も視野に入っているが、具体的な取り組みはこれからである。レディスがない点はマイナス要因である。上代設定は、アウターが8,000-1万2,000円、パンツが8,800-1万2,000円など、ほぼ計画通り。初年度(2016年)は20億円の計画。3年後の2018年には40億円(いずれも上代ベース)を目標にしている。