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ミズノ、ベースボールビジネス──2024年シーズンは104-105%の見通し

update: 2024/12/13

硬式グラブ「ミズノプロ クラシック」が堅調

硬式グラブ「ミズノプロ クラシック」が堅調

ミズノの2024年シーズンのベースボールビジネスは、前年同期比104-105%の見通しだ。リニューアルを図った主力商材の1つ硬式グラブ「ミズノプロ クラシック」が堅調に推移したほか、強化点だったチームビジネスも後押しになった。

硬式グラブ「ミズノプロ クラシック」が堅調、スパイクも健闘

前年度は110%と好調な推移だったベースボールビジネス。WBC(野球W杯)やウエア契約を結んでいる阪神タイガースの日本一効果がプラスに働いた。今シーズンはそうした“特需”が無くなったため、増収にはプラスアルファの上乗せが必要だった。

好調のライトレボシリーズに続き、 今シーズンは新たに厚底モデルも展開した

好調のライトレボシリーズに続き、
今シーズンは新たに厚底モデルも展開した

新たな試みの1つが、リニューアルを図った主力商材の1つ硬式グラブ「ミズノプロ」のリニューアルだ。「ミズノプロ クラシック」と名付けた新しい製品は、使用する革の伸びる方向を最優先した機能性重視のコンセプトが特徴。従来は採用しない部分の革も使っているため、所々にキズがある。

シリアスプレーヤーを顧客に持つBSSという野球専門店を主体に販売したが、クレームはほとんどなかったという。接客時にそのメリットを的確に伝えられた点が功を奏したようだ。SDGsのトレンドを意識した取り組みだが、エンドユーザーの理解を得ることができた。グラブの販売数量は横ばいだが、春夏シーズンより実施した上代の値上げが売上増につながった。

そのほか、スパイクシューズも健闘している。軽量性を重視した「ライトレボ」シリーズがけん引役になっている。今シーズンは、ランニングシューズでは主流になっている厚底タイプを投入したが、同シリーズの認知も進み、好調な推移だった。

チームビジネスも後押しに

強化点に挙げていたチームビジネスも収益に貢献したカテゴリーだ。チームのユニフォームを主体に開拓を進めた結果、前年同期比で2ケタ近い伸びとなった。競合他社の撤退なども新規開拓の好機となった。

慢性的な少子化の影響で、競技人口が漸減している国内のスポーツ市場は新しい分野の開拓が求められている。ベースボールビジネスも例外ではない。その解決の一助として、グループ会社のシャープ産業を活用したファンビジネスも今後、伸び代が期待できる市場である。

今後、新たに取り組んでいくのは「スポーツテック」と呼ばれる分野だ。スポーツにテクノロジーを掛け合わせた市場で、技術やパフォーマンスの向上を科学的に検証し、効率の良い練習ができるヒントを提供するという発想である。物販を主体とした用具に加え、ファン層へのグッズ販売や大会・イベントの提供、スポーツテックなどソフト面のビジネスにも力を入れようと考えている。