日本エクスラン工業
アクリルにこだわり、新素材を開発
update: 2014/08/27
日本エクスラン工業(大阪市)が手掛けるアクリル繊維「エクスラン®」。アクリルを加工して様々な付加機能を開発することを得意にする。現在は海外市場への輸出が主力に育っているほか、衣料以外の分野――住関連用途の販路も広げようとしている。スポーツウエア市場では定番になった吸湿・発熱素材も同社のアクリル繊維が基になった。
過去20年間で2つの大きなニーズ
「過去20年間で、大型の素材群に成長したのがアクリレート系繊維だった。2000年代に急速に拡大したマイクロアクリル『極衣®』で、アクリル素材の新しい可能性を具現化できた例だった」。同社の桝本明倫・取締役エクスラン事業部長 衣料・リビング営業部長は振り返る。アクリレート系繊維はスポーツや肌着などに、「極衣®」は肌着を中心に広く採用され、新しい市場ニーズを形成した。
アクリレート系繊維の開発は、スポーツのアンダーウエア市場を一変させた。合成繊維による吸湿・発熱機能を持った素材は秋冬シーズンに最適で、現在では一般大手衣料や一般アパレルメーカーにまで広く浸透している。94年のリレハンメル五輪で、スキーウエアの中綿に採用されたのが最初で、その後、95年秋から「エクス®」ブランドとして、インナーを主体に展開し始めた。
「極衣®」(ごくい)と呼ぶ素材。パウダータッチで滑らかな肌触り、軽量性、耐ピリング性、吸水速乾性に優れている。通常、1.0 dtex未満をマイクロと言うそうだが、この素材はその半分の 0.5 dtex(デシテックス)という超極細のアクリル素材に仕上がった。この素材は大手婦人肌着メーカーに採用され、ヒット商品になった。
その後、競合他社が同様の機能を持った素材を開発して追随してきたため、当初のような市場における優位性は弱まってきたというが、市場に新しい価値基準をもたらしたという点は事実である。













