アシックス、第10回インベストメントデイで『コアパフォーマンススポーツ』戦略を公表──テニスを第2の柱に成長させる
update: 2024/06/19
アシックスが6月18日、投資家向けに今後の経営方針を説明する「第10回インベストメントデイ」を開催した。毎回テーマを絞っているが、今回は「コアパフォーマンススポーツ」に焦点を当てた。主力のランニングに次ぐビジネスの柱として、テニス競技をさらに強化する。
2026年に売上高900億円、カテゴリー利益162億円を目指す
アスレチック、競技系スポーツを扱う「コアパフォーマンススポーツ」(CPS)のカテゴリー。2023年度の売上高は721億5,500万円(33.2%増)、カテゴリー利益が128億1,100万円(35.0%増)と過去最高を達成した。2021年度からの2年間は売上高が年平均で30%増、カテゴリー利益が60%増と順調に成長している。
収益の柱になっているのはテニスで、シューズを中心に着実に売り上げを伸ばしてきた。テニスは第2の柱として、300億円の目標を立てている。「CPS」全体では、2026年には売上高900億円、カテゴリー利益率18.0%──162億円を計画する。
テニスの次に強化するのがサッカーとインドアスポーツ(バレーボール、バスケットボール)だ。サッカーは主に日本と豪州において、強化を図る。また、各地域で盛んな種目へ効率的に投資するほか、日本で成長してきた「ワーキング事業」を豪州や中間圏など世界市場でも展開する計画だ。
サッカーは、シューズ使用契約を結ぶ選手を活用したユーザーの掘り起こしを進めるほか、豪州では昨年、初のサッカーモデルを発売した。また今年から同国のプロリーグ「A-league」に所属する3チームと契約を結んだ。日本、豪州をはじめアジア地域の開拓に軸足を置き、業容拡大を進める構えだ。
各地域で盛んな競技にも注力
リージョナルフォーカスカテゴリー=地域ごとに重点強化する種目は様々だ。テニスの資産を活用した市場開拓も推し進める計画で、欧州を中心に競技人口の多い「パデル」、米国に多い「ピックルボール」など地域の特性に合った種目を強化する。
CPSビジネス拡大において、販路政策も大事な要素の1つ。現状はホールセール(卸)が83.0%を占めているが、今後はいわゆる「DTC=Direct to consumer」と言われるEコマース、リテール(直営店)ビジネスの比率も増やしていく計画だ。