ミズノ、カネカと生分解性の素材を採用した屋内型人工芝を共同開発
update: 2025/06/11
ミズノがカネカと共同で、生分解性の素材を採用した屋内型人工芝を開発した。カネカの生分解性バイオポリマー「Green Planet®」(グリーンプラネット)を採用しており、土中や海中でも生分解されるため、環境負荷の軽減につながる特長がある。
生分解性バイオポリマー「Green Planet®」を採用
ミズノは2004年、「スポーツ施設サービス事業」において、人工芝事業に参入。2016年からは、日本のプロ野球チームの球場へ人工芝の提供を開始した。2025年シーズンは6球団がミズノの人工芝を採用している。国外では2023年、台湾初のドーム球場「台北ドーム」にも採用された。
カネカの生分解性バイオポリマー「Green Planet®」の開発は、1990年代初頭に遡る。91年、同社の高砂工業所の土壌から、生分解性ポリマーを生産する微生物が発見された事に端を発する。2011年には、実証プラントを稼働。現在はストローや歯ブラシ、容器類など、採用される実例が着実に増えつつある。
人工芝業界からの要請もあり、2021年10月、両社の共同開発がスタート。7度にわたる試作品を経て、従来のものと遜色ない機能性を持つ人工芝の開発に漕ぎ着けた。人工芝は芝葉と、土台部分の充填材と珪砂で構成されるが、「Green Planet®」は芝葉と充填材に使用されている。
販売は今年2025年から開始予定。開発コストの掛かる新しい素材のため、価格は従来品より高くなる見通し。芝でプレーするスポーツ競技向けが中心になるが、今後は景観用や「屋外」向けの人工芝の開発にも力を入れる。