TOP > 企業レポート > ミズノが進める生産体制のシフトチェン...

ミズノが進める生産体制のシフトチェンジ
高機能性、安定品質を重視

update: 2014/02/17

1ページ2ページ次のページへ >
ミズノアパレルテクニクス。 アパレル生産に携わる人材も育っている

ミズノアパレルテクニクス。
アパレル生産に携わる人材も育っている

ミズノが生産体制の効率化、精度アップを進めている。外資ではナイキやアディダス、国内ではアシックスなどがグローバル規模で生産の効率化を目指して工場の配置転換等を進めているが、ミズノの場合は少し趣が異なる。効率化は重要な要素の1つだが、最も重視しているのは高機能性と安定品質だ。

東南アジアの生産比率を2016年度に60%へ

ミズノは主にアパレルにおいて、生産体制のシフトチェンジを進めている。アパレルの海外生産比率は2012年度(2013年3月期)実績で80%。うち50%が中国、30%がタイ、インドネシアなどの東南アジアだ。このうち、東南アジアの生産比率を3年後の2016年度(2017年3月期)には60%にまで高める計画を立てている。中国の生産比率は下がるが生産量は原則、維持する。東南アジアの生産量が増える分、その比率も増加するイメージだ。

こうした生産体制の見直しを進める背景には、中国における生産コストの上昇が影響している。過去2、3年で、スポーツ各社の生産拠点のトランスフォーメーション(再編)が進んできた。生産の主力は依然、中国だが、今から次の拠点を整備する動きが活発になってきた。人件費などのコスト面、政情不安など、様々な不確定要素が増えてきたことも、こうした動きを後押ししている。

ミズノの場合、生産体制のシフトチェンジは効率化ありきではない。「当社の基準に達する機能性が担保されているか、安定した品質のものが生産できるか」(グローバルアパレルプロダクト本部アパレル開発生産部、田中新人次長)という点が最も重視される。したがって、「動きを加速させることはあるが、急ぐことはない」(田中次長)という。

例えば、タイの合弁工場では10年ほど前から機能性や安定品質を実現するための取り組みを進めてきた。野球のユニフォームを輸出する目的で始まった同工場との取り組みだ。また、ベトナムでの生産は基礎の体制が整い、「第2段階に入っている」(田中次長)。ミャンマーは商社と共同で、布帛の定番品からスタートしている。いずれのケースも機能性や安定品質の実現が重視される。