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PUMA、2020年12月期 第1四半期 連結決算
アジア地域が苦戦、減収減益に

update: 2020/05/19

PUMA、2020年12月期 第1四半期 財務数値一覧(表1)

PUMA、2020年12月期
第1四半期 財務数値一覧(表1)

PUMA(プーマ)の2020年12月期第1四半期(1-3月)連結決算は、新型コロナウイルスの影響が大きく、減収減益となった。利益は前年同期比でほぼ半減した。地域では欧州や米州、部門ではシューズ類が堅調な推移だった。

欧州や米州は堅調な推移

連結の売上収益は、12億9,900万ユーロ(約1,532億8,200万円、1ユーロ=118円で換算)、1.5%減。売上高総利益率(粗利率)がChinaの売上減および在庫の処分、為替の影響により47.6%(1.4ポイント減)と低下した。販管費率が増加したこともあり、営業利益(EBIT)は7,100万ユーロ(約83億7,800万円、同)、50.1%減と前年同期に比べほぼ半減した。

税引前利益(EBT)は5,500万ユーロ(約64億9,000万円、同)、59.8%減と同じく大幅な減益。四半期利益も3,600万ユーロ(約42億4,800万円、同)、61.6%減と大きく落ち込んだ(表1を参照)。

PUMA、2020年12月期 第1四半期 地域別・部門別売上高(表2)

PUMA、2020年12月期
第1四半期 地域別・部門別売上高(表2)

地域別の売上高では、主力の「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)地域が5億1,800万ユーロ(約611億2,400万円、同)、3.3%増と堅調な推移だった。「Americas」(米州)は4億2,600万ユーロ(約502億6,800万円、同)、2.4%増。「Asia/Pacific」(アジア・太平洋)地域がコロナ禍の影響で、3億5,500万ユーロ(約418億9,000万円、同)、11.5%減と2ケタの減収となった。

部門別の売上高は、主力の「Footwear」(フットウエア=シューズ)類が6億4,800万ユーロ(約764億6,400万円、同)、1.4%増とほぼ前年並みを確保した。「Apparel」(アパレル)は4億3,900万ユーロ(約518億200万円、同)、6.2%減と苦戦した(表2を参照)。

リアル店舗は休業のため売り上げが立たない状況だが、Eコマースは好調だ。しかし、全売上の減収幅をカバーするまでには至っていない。China市場は1月の最終週にシャットダウンし、以後6週間はECを除き、ビジネスが消滅した。3月中旬ごろから回復し始めたが、反対に世界市場でのシャットダウンが始まった。

通期の見通しは、コロナ禍の収束が見通せないため、現時点では予測が不可能だと分析している。今期中にはすべての市場が回復し、来期以降は再び成長路線に乗れると期待している。