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国内ベースボール市場 2013年シーズン(上)
激化する競合、各社は生き残りの道を模索

update: 2013/09/17

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健闘見せるミズノ

ミズノ 「ダイアモンドヒーロー」の着用シーンが広がっている

ミズノ
「ダイアモンドヒーロー」の着用シーンが広がっている

「ミズノ」は13年4-6月の第1四半期が対前年比で103%と堅調だった。昨年9月に先行投入した新しいブランドロゴの商材が好調だったため、年明け以降の2-3月はその反動で動きが鈍くなった。競合ブランドの影響は今のところないという。高校・大学・中学の硬式は堅調。11年の震災以降減少したいわゆる草野球層のプレーヤーが戻ってきていないという懸念材料はあるが、硬式・軟式共に健闘しているという。

昨年は市場が冷え込んでいたと分析する。今年は市場自体が少し持ち直していると見ている。硬式では主力商材のグラブ「ミズノプロ」に安定感がある。用具に軽さを求めるプレーヤー向けの「グローバルエリート」は軟式で伸びているという。スパイクシューズでは革底モデルが売り上げを落としているが、「グローバルエリート」の樹脂底の軽量タイプ「ハイスト」がヒットした。特にスパイクの“金具”が長持ちする「超硬」モデルが好調だった。

アパレルでは、「ダイアモンドヒーロー」が高校生に人気で、約120%と好調。チームで揃えるユニフォームと異なり、個性を発揮できる練習着のデザインの目新しさが支持を集めているようだ。また「ダイアモンドヒーロー」では、試合を観戦する父母などが着用するケースが増えているという。元々、シルエットを細身に仕上げてあるため、女性にも着やすいというメリットがあるようだ。ベースボールでは伝統的に、プレーヤーが着用するウエアのデザインに対する制約が多い。新しい練習ウエア、スタイルを提案する目的でスタートした「ダイアモンドヒーロー」を中心に、「ミズノプロ」や「グローバルエリート」でも、プレーシーン以外のところへ浸透しつつある。

機能性アンダーウエアの「バイオギア」は堅調だ。12年シーズンからスタートした着圧が緩めでフィット感を重視した「スタイルゼロ」も貢献している。ユニフォームは、昇華プリントが試合用として着用されるケースが増えている。バットは軟式の「ビヨンドマックス」が好調を持続している。一般的な金属バットは苦戦傾向にある。

今秋以降は、昨年の同時期に好調だった新ブランドロゴを採用した商材の実績があるため、対前年比では下回ると予測する。軟式などのボリュームゾーンでリニューアル品を投入するなど下期も強化を続ける。