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日本の“アスレジャー”市場の現在(上)
本場・米国と異なる市況

update: 2017/06/07

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ジュンが立ち上げたアスレジャー業態の 「ナージー」(エキスポシティ店)

ジュンが立ち上げたアスレジャー業態の
「ナージー」(エキスポシティ店)

国内のスポーツマーケットで、アスレチック(競技)とレジャー(余暇)を組み合わせた造語“アスレジャー”が注目されている。具体的には、フィットネスやヨガを切り口にしたスポーツウエアと普段着が融合した商品群だが、日本では本場・米国とは異なる様相を呈している。“アスレジャー”市場の開拓は進んでいるのだろうか。

2014年ごろから注目度が高まる

“アスレジャー”という言葉自体は新しいものではない。1970年代後半にデサントが、米国で使われていた“アスレジャー”を商品企画のテーマに採り入れていた事例がある。スポーツウエアを日常でも着るという、当時としては目新しい発想で使われていたようだ。

再び、この言葉が注目され始めたのは、2014年ごろ。ナイキがレディス市場の強化を打ち出したあたりからだ。14年10月、同社は2015年春夏シーズンの商品を発表した際、「2017年度にウィメンズビジネスを70億ドル(約7,700億円)まで成長させる」と具体的な数値目標を開示した。同社の売上高、約3兆円のおよそ25%に当たる。

スポーツ関連企業がレディス市場の開拓を強化する動きは、決して珍しいものではない。スポーツがファッションシーンに採り入れられ、“スポーツライフスタイル”という言葉で新しい市場を開拓していった2000年代以降、継続して見受けられる動きである。

米国市場で“アスレジャー”が拡大した背景には、フィットネスウエアブランドの「ルルレモン」などが街着としても使えるスタイリングを提案したことも関係している。ストレッチ素材──コンプレッションウエアが浸透したこともあるだろうが、米国市場の場合はアスレチックの色合いが強い。