TOP > 注目パーソン インタビュー > ゴールドウイン 大江伸治・取締役副社長...

ゴールドウイン
大江伸治・取締役副社長執行役員総合企画本部長
財務体質が改善、増収基調に乗る

update: 2012/06/25

< 前のページへ1ページ2ページ3ページ4ページ次のページへ >

“再参入”したゴルフウエア市場

昨年11月、ゴルフウエアブランド「ブラックアンドホワイト」(B&W)を展開するブラックアンドホワイトスポーツウェアを子会社化した。かつて『エレッセ』などで展開していた分野だが、ここ数年は扱っていなかったカテゴリーだ。

「過去に失敗してきた分野ですが、当社のポートフォリオの中になかったカテゴリーだし、少なくともマルチブランド戦略を進める上で必要だと判断しました。ゼロから立ち上げるよりも、イメージや認知が確立し販路も整備されている既存ブランドを獲得した方がはるかに効率的だからです。『B&W』の生命線は“高品質、品位の高さ、細かい仕様に対するこだわり”。これを絶対に崩してはいけないと考えています。海外も含めて30億円程度の同ブランドですが、完全にハイエンドゾーンを対象にしています。競合ブランドも減っていて、いくばくかの残存者利益はあるでしょう」

新ラインはブランドイメージと既存顧客を大事にしつつ、次世代の40-50代を対象にすることが現実的と思われる。

「既存のブランドイメージを維持しつつ変えていく、という姿勢が大事でしょう。しかし現状維持では意味がない。新規顧客の開拓を念頭に新ラインの準備を進めていますが、これがわれわれの持っている経営資源を生かせるかどうかというチャレンジになると思います。今秋からは『光電子』のカシミヤや『プリマロフト』の中綿ものなど当社既存の機能素材を一部で採用しています。またダブルネームで『C3fit』も展開します」

スポーツカテゴリーの中で最大規模を誇るゴルフだが、ダウントレンドで現在は「悩ましい」(大江氏)市場。同社の経営資源やノウハウがどのように活かされるのか、新ラインが試金石になりそうだ。