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ゴールドウイン
大江伸治・取締役副社長執行役員総合企画本部長
財務体質が改善、増収基調に乗る

update: 2012/06/25

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アウトドアが好調を維持、“新機軸”が貢献

店頭起点のSPA(製造小売り)化を進めている背景もあるのだろう、昨年3月に発生した震災の影響は軽微だった。3月と4月中旬辺りまでの限定的なものだった。その後は春夏商材の消化は順調に進んだ。秋冬は11月第2週まで暖冬でうごきは鈍かったが、12月後半からの冷え込みで一気に店頭が動き出した。中でもウインター関連の消化率は80%を超えたという。

「昨年4月以降は震災の反動が来て、むしろ売り上げは伸びました。春夏も秋冬も影響はほとんどありませんでした。ウインタービジネスは初めて消化率が80%を超えました。特にボードウエアの『エスティヴォ』を中心に、企画が当たったと思います。納期を守り投入が早かったことも消化が進んだ一因です。その半面、スキーウエアはあまり良くありませんでした」

アウトドアは227億円(17%増)と当初目標よりも増収した。新しく立ち上げた商品群が好調だったようだ。

好調だった「ヘリーハンセン」の「アウトドア」

好調だった「ヘリーハンセン」の「アウトドア」

「アウトドアは『ザ・ノース・フェイス』(TNF)が引き続き好調です。そのほか、“新機軸”が良かった。『TNF』の『パフォーマンス』や『ヘリーハンセン』の『アウトドア』です。『パフォーマンス』はランニングに焦点を当てた新ラインです。それに加えてアウトドア市場自体が伸びていることも大きい。アウトドアやランニング、フィットネスといった好調な分野に(人口の多い)団塊世代が参入してきていますし、女性の参加も増えています。現在の日本のスポーツ市場は拡張マーケットと縮小マーケットがはっきりしている。増えているのはアウトドアやランニング、ヨガ、フィットネスなど。減っているのは野球やサッカー、テニスといった種目です。新規参入が増えている市場と少子化の影響をもろに受けているところとに分かれています」

懸案だったアスレチックも改善が進んでいる。在庫を大幅に圧縮して自主管理売り場を展開し始めた「チャンピオン」は前期、営業利益を計上した。

黒字化を果たした「チャンピオン」(写真は京都店)

黒字化を果たした「チャンピオン」(写真は京都店)

「『チャンピオン』(Ch)は一応、営業利益を確保しました。今期も引き続き伸びています。『Ch』の自主管理売り場および直営は80店に拡大しました。NSC(ナショナルスポーツチェーン=全国展開するスポーツ小売店)を中心に展開する自主管理売り場の目的はいくつかありますが、1つは店頭表現で店舗を通じブランドコンセプトを表現することでした。2つ目には発注流動における合理化で、店頭での商品のハンドリングにおいてわれわれが主導権を持つという点。店舗数が増えているということはNSCも効率がいいと判断されたのだと思います」