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株式会社ゴールドウイン 代表取締役社長 西田明男 氏
大事なことは「顧客に評価されること」

update: 2013/01/07

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ゴールドウイン社長 西田明男氏

ゴールドウイン社長 西田明男氏

今期(2013年3月期)を最終年度にする3カ年計画の大詰めを迎えているゴールドウイン。主力の国内事業が順調に推移し、第2四半期は増収増益を達成した。通期見通しもほぼ計画通りに達成できるようだ。来期(2014年3月期)からスタートする新中計の策定も進んでいる。節目の年である2013年を迎えた現段階で、どのような成長戦略を描いているのか、西田明男代表取締役社長に話を聞いた。

アスレが復調、改善の兆し見える

復調した「チャンピオン」

復調した「チャンピオン」

主力のアウトドアが引き続き堅調な推移のほか、課題だったアスレチック(競技)関連ブランドの復調が収益に貢献した。なかでも「チャンピオン」の黒字化が大きい。不良在庫を大幅に削減し、商品企画の精度を高めて店頭MD(マーチャンダイジング)の強化を図った結果、自主編集売り場と直営店、卸の各チャネルで相乗効果が表れた。

「『チャンピオン』はアメリカンスポーツスタイルというこのブランドらしい売り場を表現できるようになり、売り上げも伸びて小売店に評価されるようになりました。直営や自主管理売り場を活かして、売上実績のある安心感のある商材を準備できるようになった」

スイムブランド「スピード」は、FINA(国際水泳連盟)のルール改定などの影響もあり競泳水着が難しい状況にある一方で、フィットネス水着は堅調だ。「スピード」と「エレッセ」の2ブランドでフィットネス水着を展開するが健康志向のスイマーを取り込み、売り上げは伸びている。

「各ブランドの進捗状況において、ようやく改善が見られるようになりました。アスレチックでは一部、回復がこれからのところもあるが、全般的に見て非常にいい傾向だと思います。上半期(第2四半期)決算で営業利益を黒字化(4億400万円、前期は1億2000万円の営業損失)できたことは大きな改善点です。売上高の比率も、上期が44%と増えてきました」

秋冬に強い下期型のアウトドアが主力で、スキーウエアなどの返品が上期に発生していた影響もあり、同社の上期決算は長らく増収しても損失を計上するという構造が続いていた。年間を通じて安定した収益を確保するためには、上期=春夏商材の強化が至上命題だった。その点では、「チャンピオン」をはじめとするアスレ分野の復調は明るい材料だ。