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外資系上場スポーツ企業3社、2022年度最新決算まとめ
各社共に増収減益の傾向が色濃く

update: 2022/12/12

外資系スポーツ企業、2022年12月期 第3四半期まとめ(表1)

外資系スポーツ企業、2022年12月期
第3四半期まとめ(表1)

外資系上場スポーツ企業3社の2022年度最新決算をまとめた。アディダス、プーマ、アンダーアーマーがその主な対象。外資系に多い12月期を採用しているアシックスも参考に加えた。各社共に増収減益の傾向が色濃い結果となった。

中華圏が苦戦、プーマ社は増収増益と健闘

対象としたのはadidas AG(アディダス社)、PUMA(プーマ社)、Under Armour,Inc.(アンダーアーマー社)の3社。前者の2社は12月期決算で、9月末に第3四半期(1-9月)を迎えた。アンダーアーマー社は今期から決算期を3月期に変更しているため、4-9月の上半期(第2四半期)決算である。参考に、外資系に多い12月期を採用しているアシックスも加えた。

各社共に、増収減益の結果だった。世界規模で発生している原材料高によるコスト増、ウクライナ紛争などが影響した一面がある。また、一代市場であるChina(中国)の上海を中心としたコロナ禍によるロックダウンの影響もあった。DTC(Direct to consumer)ビジネスの深掘りが進むなど、コスト軽減策に一定の効果があった。減益幅を軽減した企業も見られた。

アディダス社の第3四半期は増収減益。北米地域は健闘したが、Chinaを中心とした中華圏が苦戦した。連結の売上収益は173億600万ユーロ(約2兆4,401億4,600万円、1ユーロ=141円で換算)、7.5%増。営業利益は粗利率の減少やコスト増などが影響し、13億9,300万ユーロ(約1,964億1,300万円、同)、27.5%減の減益に至った。

プーマ社の第3四半期は2ケタの増収増益と健闘した。EMEA(欧州・中東・アフリカ)、米州ともに好調な推移だったが、Chinaを含むアジア・太平洋が伸び悩んだ。連結の売上収益は62億6,800万ユーロ(約8,837億8,800万円、1ユーロ=141円で換算)、24.4%増。営業利益(EBIT=税引前利払前利益)が6億ユーロ(約846億円、同)、22.0%増と2ケタの増益となった。

アンダーアーマー社の第2四半期は微増収減益。連結売上収益は29億2,200万米ドル(約4,207億6,800万円、1米ドル=144円で換算)、0.9%増だったがコスト増も影響し、営業利益は1億5,300万米ドル(約220億3,200万円、同)、47.8%減の減益となった。

アシックスの第3四半期は増収、微増益。コストの増加を抑制できたため、前年同期比並みの利益を確保することができた。連結売上高は3,630億6,800万円(12.7%増)と2ケタの増収。営業利益が360億5,100万円(0.7%増)。四半期利益は、前年の特別損失の計上が無くなったため、232億4,500万円(21.9%増)とプラスに転じた。